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2011 年度 実施状況報告書

拡散テンソル法を用いた末梢神経再生に対する非侵襲的診断法の確立にむけた基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23591786
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

小田 良  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80516469)

研究分担者 藤原 浩芳  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90381962)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード拡散テンソル / 末梢神経損傷
研究概要

中、大型動物での末梢神経損傷に対するDTIでの評価を目的に、家兎を用いて坐骨神経圧挫損傷モデルを作成した。坐骨神経圧挫損傷前、および損傷後1,3,4,6,8週をエンドポイントとし、経時的にin vivoで拡散テンソル法(以下DTI)を用いて坐骨神経の撮像を行った。撮影には7.04テスラ動物用高磁場MR装置を用いた。DTIにより得られる水分子の拡散のパラメータであるλ、およびそれから算出される拡散異方性の指標であるFractional anisotropyを算出し検討した。同時に、各エンドポイントで圧座損傷を行った坐骨神経を摘出し、組織学的な検討を行った。また、家兎の下肢の運動機能評価をtoe spreading reflex(以下TSI)を用いて評価を行った。 坐骨神経損傷後、神経線維の変性にしたがって、圧挫損傷群では健常群に比して有意にFA値が低下する傾向を認め、再生過程に一致してFA値は再度上昇する傾向を認めた。各パラメータλについては、明らかな変化の傾向は認めなかった。圧挫損傷後4週頃から家兎の下肢の運動機能の改善する傾向を認めた。 これまでに行われてきた研究では、ラットなど小動物を利用したものが主流であった。今回、われわれは高磁場MR装置を用い、対象を大型化したことで、DTIを用いて得られた画像の解像度の向上を得ることができた。実験結果から、DTIから得られたパラメータを用いて損傷された末梢神経が変性過程にあるかあるいは再生過程にあるかを評価できる可能性を示唆した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

家兎を用いた実験動物モデルを作成し、組織学的評価法、下肢運動機能評価法を確率した。また、家兎の坐骨神経撮影にあたり、適した麻酔法、家兎用の下肢固定装置の開発、DTIでの撮像シークエンスの確立を行った。DTIにより得られたパラメータの解析結果は妥当なものであり、実験系が確立できた。 今後、確立した実験系を用いてさらにサンプル数を増加させ、パラメータのより詳細な解析を行うことができる。

今後の研究の推進方策

平成23年度に作成した実験モデルに則り、サンプル数を増加し、DTIによって得られる各パラメータおよびFAの神経損傷および再生過程における意義について詳細に検討する。

次年度の研究費の使用計画

家兎の購入、手術・麻酔の機材および薬剤購入、神経組織評価のための固定・染色に用いる薬品類の購入、さらに体表コイルの作成費用として使用する予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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