研究課題
本研究では,まず室温で駆動するsub-Mcpsの高速CdTe検出器を開発した。これを最大スキャン速度25 mm/sのxステージに取り付け,振動式のリニア検出器を構成した。次いで,このリニア検出器,ターンテーブル,小型X線装置,MCAなどと組み合わせて,エネルギー弁別X線CT(ED-CT)システムを構築した。このED-CT撮影により,ガドリニウムやヨウ素の造影剤を用いたKエッジCT撮影を試み,冠動脈や脳血管が高コントラストで造影された。当初,このED-CTシステムでは,MCAを用いて撮影のためのフォトンエネルギー範囲を決定した。次に,検出器の計数率を増して撮影時間を短縮するため,高速コンパレーターを用いてエネルギー弁別を行った。さらに,CdTe検出器とxyステージを組み合わせて,X線カメラ,蛍光X線カメラ,そして後方散乱カメラも構築した。本研究ではMcps領域でED-CT撮影を行うために,LSO-MPPCやYAP(Ce)-MPPC検出器を開発し,これらを用いてX線スペクトルの測定を行った。次いで,これらをxステージに取り付けて,ED-CTシステムを構築し,高速Kエッジ撮影に成功した。さらに,これらを最大スキャン速度が300 mm/sの単軸ロボットに搭載し,動物用エネルギー弁別X線CTシステムを構築し,ようやくこのシステムを使った撮影が始まったところである。最近,高速デュアルエネルギーコンパレーターを開発し,1回の撮影によりデュアルエネルギーサブトラクションが可能となった。また,ED-CT特有の粒状性のある画像はマイコンと積分器からなる周波数・電圧コンバーター(FVC)の開発により著しく改善され,さらにマルチスライス化が進められている。以上,科学研究費補助金を用いたこれらの研究成果は多数の論文として掲載されている。
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