研究課題
課題として残っていたヨード強調画像の血管描出能の基礎的検討と仮想単純CT像の臨床画質評価をおこなった。これに加えて仮想単色X線CT画像が、腎嚢胞のpsuedoenhancementを低減させるかも検討した。1 ヨード強調画像の血管描出能の検討:1.5mm、3mm径の血管ファントムの内腔に25%、50%, 75%の石灰化狭窄を配置した。内腔を100HU、200HU、300HUの造影剤で満たし、120kVpと2重エネルギーCTのヨード画像の狭窄描出能を比較した。その結果、ヨード強調画像では1.5mm径ではヨード自体も消去されてしまい、3mm径では石灰化がヨードと同等濃度の消えの残りが見られ、いずれも内腔評価に妥当な画像を得ることができなかった。2 仮想単純CT像の画質評価:27例の冠動脈の2重エネルギーCT画像から作成した仮想単純CT像のカルシウムスコアは、120kVpの単純CT像のカルシウムスコアと非常によい相関(r=0.93)を示した。132例の肝転移が疑われる患者の動脈相、門脈相から仮想単純CT像を作った。肝臓、膵臓、大動脈の単純CTのCT値は、仮想単純CTの値とほぼ同等であることがわかった。大動脈は動脈相から、肝臓や膵臓は門脈相から作成したほうが一致はよかった。仮想単純CTは、通常の120kVpの単純CTを置換可能と思われた。3 腎嚢胞のpsuedoenhancementの低減効果:31例の腎嚢胞患者(51病変)において腎実質相を120kVpと2重エネルギーCTをランダムに撮影した。2重エネルギーCTから作成した70keVの仮想単色X線画像のpseudoenhancementは120kVpに比べてCTでは低くなった。仮想単純CTは120kVpより腎の画質(noiseやCNR)は向上した。
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