研究概要 |
前年度の課題であった検者の被ばく低減に対する対策としてN13-アンモニアの投与時に周囲を遮蔽する鉛ブロックを作成し、実践に利用を開始した。心筋血流の定量評価を行うために前年度に引き続き正常ボランティアおよび糖尿病正常心機能患者(DM)を対象に安静時血流、アデノシン負荷(0.12mg/min x 6分間)の投与を行い、負荷時心筋血流を評価した。心筋血流はシーメンス社製の専用解析ソフトウェアを用いて解析した。前年度に施行した健常者を加えた3例の全健常者と糖尿病患者の結果を下記に示す。 *MBF:心筋血流量(ml/g/min)、MFR:心筋血流予備能=stressMBF/restMBFcor MFR:補正心筋血流予備能=MFR*RRP(rate pressure product at rest)。 正常コントロールではstress MBF,rest MBF, MFR,cor MFRはそれぞれ、2.54±0.40、0.70±0.19、3.69±0.42、2.73±0.42。糖尿病患者では1.74±0.43、0.97±0.24、1.79±0.01、1.77±0.30であった。 心筋血流は糖尿病患者ではMFR(心筋血流予備能)、corMFR(補正後心筋血流予備能)は正常者に比べ低下していた(症例が少なく統計処理は未施行)。また、全例において局所心筋血流のマップから均一な血流マップが得られた。糖尿病患者に施行された心臓MRI検査では全例で左室機能正常、ガドリニウム遅延造影は陰性であった。
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