研究概要 |
化学放射線療法を行った進行頭頸部癌患者の予後のclinical endpointをprogression free survival(PFS)およびoverall survival(OS)として、FDG PET-CTの予後予測の有用性を明らかにする目的にて、治療前の原発腫瘍および転移リンパ節のSUVmaxと、治療前に対する治療終了後8週間目の原発腫瘍部および転移リンパ節のSUVmax変化率 (⊿SUVprimary,⊿SUVnode)を検索パラメータとして予後との関連性を検討した。 結果、治療前の原発腫瘍および転移リンパ節のSUVmaxは、予後との有意な関連性は認められなかった。一方、局所領域制御良好群と不良群の比較で、⊿SUVprimaryは両群間で有意差が認められた。さらに、単変量解析の結果、⊿SUVprimaryは局所領域制御と有意な関連性が示された。次に、ROC解析にて、⊿SUVprimaryの局所領域制御良好群と不良群を識別するcut-off値を求めた結果、sensitivity 86.3%、specificity 70.0%でcut-off値1.04が求められた。そこで、⊿SUVprimaryが1.04以上の群と未満の群間で、PFSおよびOSをKaplan-Meier法にて比較した結果、⊿SUVprimaryが1.04以上を示した群は有意にPFSおよびOSが良好であった。以上の結果より、⊿SUVprimaryは化学放射線療法を行った進行頭頸部癌患者の予後を予測する有用なパラメータと成り得ることが示された。
|