研究課題/領域番号 |
23591804
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
石井 一成 近畿大学, 医学部, 准教授 (50534103)
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研究分担者 |
村上 卓道 近畿大学, 医学部, 教授 (20252653)
熊野 正士 近畿大学, 医学部, 講師 (70335339)
岡田 真広 近畿大学, 医学部, 講師 (20296700)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 認知症 / FDG-PET / アミロイドイメージング / レビー小体型認知症 / アルツハイマー病 / MRI |
研究概要 |
本研究の目的はPETによるアミロイドイメージングと糖代謝画像、MRIを用いてアルツハイマー病(AD)についで多いレビー小体型認知症(DLB)の病態を解明し臨床診断に役立てようとするものであり、初年度の計画を実施した。AD 15例、DLB 5例にMRI、FDG-PET、PiB-PETによるアミロイドイメージングを行った。MRIでみた大脳萎縮の程度はAD群、DLB群で差はなかった。FDG-PETによる脳糖代謝ではAD群、DLB群ともに頭頂側頭連合野で代謝低下がみられたが、AD群では後頭葉での代謝低下がなかったが、DLB群では後頭葉での低下が5例とも認められた。アミロイド沈着はAD群15例中12例、DLB群では5例中1例、1例が沈着疑い、3例は沈着が認められなかった。このことからDLB群でAD群と同様に糖代謝が低下する頭頂側頭葉はアミロイド沈着が原因ではなく別のDLB特有の原因によるものと考えられる。よってMRIのみではADとDLBの鑑別は不可能で、従来報告されているFDG-PETによる糖代謝の低下パターンをみることにより後頭葉の糖代謝低下の有無で鑑別可能と考えられる。逆にアミロイドイメージングによるアミロイド沈着の有無のみでは、沈着ありの場合、ADまたはDLBの鑑別はできず、沈着がない場合はADではないといえる。今後さらに症例を増やしてMRI, PETによる総合的な検討を行って病態を探り診断に活かしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アルツハイマー病の症例数は最低目標の15例は23年度ですでに達成したが、本研究の最大目的のレビー小体病の症例数が23年度の目標の半分しか施行できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
23年度の目標症例数に達しなかったレビー小体型認知症患者に重点をおいて患者にMRI, PET検査を依頼し、承諾を得て症例数を増やしていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
PiB合成試薬 一式 700,000円データ保管メディア 一式 100,000円Human Amyloid Imaging Conference (マイアミ、米国)出席 300,000円
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