研究概要 |
【目的】大腸CT検査による大腸腫瘍の診断を行うとともに、肥満、内臓脂肪面積測定ならびに脂肪関連サイトカンであるアディポサイトカイン測定を行った。【方法】当院において大腸CT検査と内視鏡検査を同日に行った153名(男性90例、女性63例)を対象とした。大腸内視鏡診断をもとに、無病変群56名(男性30名、女性26名)、ポリープ群52名(男性29名、女性23名)、早期癌群27名(男性17名、女性10名)、進行癌群18名(男性14名、女性4名)の4群に分類した。腹部断層画像を用いて、大腸3次元解析を行うとともに大腸腹囲、内臓脂肪面積、内臓脂肪量も測定した。また、アディポカインである血清アディポネクチン、レプチン、TNF-αを測定した。【成績】無病変群と比較して、ポリープ群の内臓脂肪面積(150cm2vs115.2 2cm, p<0.05)、内臓脂肪INDEX(91.5cm2/m2vs 70.1cm2/m2, p<0.05)が有意に高値であった。また、これらの因子は単変量および多変量解析で有意差を認めた。無病変群と比較して、早期癌群の血清TNFαが優位に低下しており(14.9pg/ml vs 27.1 pg/ml, p<0.05)、単変量および多変量解析で有意差を認めた。進行癌群は、無病変群と比較してHDLが優位に低下しており(45.1mg/dl vs 56.6 mg/dl, <0.05)、単変量および多変量解析で有意差を認めた。【結論】大腸CT検査で、大腸腫瘍の診断のみならず内臓脂肪面積測定を行い、アディポサイトカイン測定を加えることで効果的な大腸腫瘍の診断の確立が期待できる。
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