• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

CT透視下IVRにおける術者の手指被曝低減に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23591820
研究機関岡山大学

研究代表者

川辺 睦  岡山大学, 保健学研究科, 助教 (30403471)

研究分担者 三村 秀文  川崎医科大学, 医学部, 教授 (10304362)
花元 克巳  岡山大学, 保健学研究科, 助教 (20335590)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード放射線防護 / 職業被ばく / CT透視 / IVR / 皮膚線量
研究概要

1.CTエックス線のスペクトル測定・・・CT装置のエックス線発生機構は一般的なエックス線装置と変わりないが、多くのCT装置ではターゲット物質の角度が小さい場合が多いため、スペクトルに変化が生じる。術者の手指被ばくに影響を与える主な指標の結果は、第一半価層5.137mmAl(4.463mmAl)、第二半価層12.793mmAl(11.391mmAl)、実効エネルギー42.51keV(39.75keV)、均等度0.671(0.644)、線質指標0.354(0.331)であった(括弧内は一般的なエックス線装置)。この結果から、スペクトルは全体的に高エネルギー側にシフトしているが、ターゲット物質の原子番号は変わらないため、線質を合わせた上での一般的なエックス線装置による基礎実験が可能なことを示唆した。2.モンテカルロ・シミュレーションによる被ばく実態解明・・・モンカルロ計算による光子飛跡をシミュレーションした結果、エックス線中心軸からの距離が散乱線被ばくに大きな影響をもたらすことが示唆され、例えば、術者の指先と現実に線量計を装着する指の付け根では2倍ほどの線量差に達した。これまでの臨床における被ばく評価が過小であるおそれを示唆しており、今後の検討課題となる。3.模擬ファントムと線量計を用いた基礎データの収集・・・臨床手技を想定した場合の術者の手指被ばくはおよそ0.26mGy/minとなった。この結果と、シミュレーションの結果を重ね合わせると、術者の被ばくは最大0.5mGy/minに達するおそれがある。4.臨床データとの整合・・・臨床手技による術者の被ばくは0.1mGy/minであった。これはファントムによる基礎データと0.26mGy/minに比べると随分小さいが、術者の手の位置と透視状況が基礎実験とは異なるため生じた差である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで、スペクトル評価と、基礎データの収集に加えて臨床手技による術者の被ばくを行ったが、基礎データと臨床データの被ばく量の違いが明らかになり、CT透視時間と術者被ばくを相関させて推定することが困難であることが分かった。データしては十分取得できており、防護具作成後のデータと比較する予定であるが、CT装置の開発が予想以上の速さで進んでおり、防護具作成時点でCT装置の更新があれば、データ再取得を検討しなければならない。

今後の研究の推進方策

今後は、防護具の作成とその効果の検討、臨床使用の問題点を明らかにすることなどがあり、次の内容を基礎データに据える。1.含鉛アクリルによる防護効果の検討・・・透明度が高く手技の妨げとならないため、防護具の材料として主たる物質と考えている。ただし、堅いことと重いことが術者の疲労に繋がらないか臨床データを取っていく。2.タングステンシートによる防護効果の検討・・・非常に薄い材質でフレキシブル性が高い。また、加工が容易であるため、手技の妨げになりにくいような形状も検討する。基礎データを取得できたら、プロテクタの作成に取りかかる。

次年度の研究費の使用計画

物品費は含鉛アクリルやタングステンシートの購入、線量計の購入予定。補助事業者内で研究遂行する予定であるため人件費の支出はない。国内学会での研究成果発表を予定している。概ね研究計画に沿った形で進んでいるため、計画変更や研究遂行上の課題はない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] CT透視下IVRにおける術者の手指被曝評価2011

    • 著者名/発表者名
      川辺睦
    • 学会等名
      第27回放射線技師総合学術大会
    • 発表場所
      青森市文化会館(青森市)
    • 年月日
      2011年9月16日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi