研究課題/領域番号 |
23591825
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
甲斐 倫明 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (10185697)
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研究分担者 |
遠藤 章 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学部門, 研究員 (10354705)
高橋 史明 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学部門, 研究員 (20354706)
佐藤 薫 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学部門, 研究員 (80354702)
伴 信彦 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (70251220)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | CT診断 / 臓器線量 / モンテカルロ計算 / ボクセルファントム |
研究概要 |
(1)CT診断の対象となる患者の体型に関する実態調査 臨床でのCT画像データから、AP長、LAT長、胴体周囲長などの体型データを採取した。この体型データをパターン化するために、CT画像データから胴体の周囲長の計測、臓器の面積および体積の計測、ボクセルファントム用データ出力できる体格調査プログラムを作成した。ボクセルファントムを用いて、PHITSコードを用いたモンテカルロシミュレーションにより計算を行い、患者の臓器線量の推定を行うコード整備を行った。このコードの計算結果をもとに、X線CT診断によって体型に違いが臓器線量にどの程度で影響するかを把握するためのシミュレーションを行った。(2)体型調査を基礎にした任意の成人モデル化に関する研究開発 身長、体重、体格指標(BMI)に応じた各部位(頭部、胴体、四肢)の相対的な大きさの違いを正確に把握する手法として、ポリゴン技術に用いて日本人成人男女ファントムをスケーリングによって任意の体格のボクセルファントムを構築する方法を整備した。成人日本人の体格は、JIS規格及び人間生活工学研究センターのデータの範囲を評価可能になるよう検討した。体格変形手法として、指定したチェスト、ウエスト、ヒップのサイズを担保した体格変形モデルを試作した。オリジナルモデルのチェスト、ウエスト、ヒップと胴体の周囲長を実寸単位に変換し、チェスト、ウエスト、ヒップの値を指定して任意の体格を記述して、オリジナルモデルからの周囲長の変動率を評価した。限られた時間内で複数のモデルを作成・利用可能にするために、ファントム作成用プロシージャの作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)CT診断の対象となる患者の体型に関する実態調査は、臨床データを取得し分析を予定通り行っている。(2)体型調査を基礎にした任意の成人モデル化に関する研究開発は、体格変形手法の検討が終わり、任意の体型をモデル化することができる段階である。順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
任意の体格をもつボクセルファントムの作成が可能なところまできているので、今後は、臨床データから得た画像をもとにシミュレーションを行い、臓器線量の違いを分析していく予定である。皮下脂肪の増減および内蔵脂肪の付加による体格変形に対応できるようにするために、臓器組織および内容物質量の変化を考慮した体格処理方法の検討を進める。一方で、成人の体格のパターン化を経て、Webシステム(WAZA-ARI)に組み込むための設計を行い、そのWebプログラムを作成する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
24年度は、Webシステム(WAZA-ARI)に組み込むためのWebプログラムを作成を計画しているため、予定としている予算では不足する事態を想定して、23年度の予算を節約し24年度の予算にまわすことを行った。
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