研究課題/領域番号 |
23591825
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研究機関 | 大分県立看護科学大学 |
研究代表者 |
甲斐 倫明 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (10185697)
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研究分担者 |
遠藤 章 独立行政法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (10354705)
高橋 史明 独立行政法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (20354706)
佐藤 薫 独立行政法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員 (80354702)
伴 信彦 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (70251220)
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キーワード | CT検査 / 臓器線量 / モンテカルロ / ボクセルファントム |
研究概要 |
(1)体型の異なる患者のCT画像データからボクセルファントムを作成し、PHITSコードを用いたシミュレーション計算を実施した。BMIで18.5から30.3の体型を対象にした。この結果から、体型が大きくなることで標準体型に比べて臓器線量が低くなる。この傾向を定量的に把握するために、体型を患者の胸部有効直径をAP長とLAT長から計算し、臓器線量との関係式を求め、WAZA-ARI2に組み込んだ。 (2)ポリゴン技術を用いて日本人成人男女ファントムをスケーリングによって任意の体型をもったボクセルファントムを構築する方法を昨年までに整備してきたが、この手法と臨床での患者体型調査結果を基礎にした成人体型モデルの類型化を行い、標準体型以外に、標準体型から2σ、5σ、-2σの離れたボクセルファントムを男女別に構築した。これらのボクセルファントムでPHITSコードを用いたシミュレーション計算を実施し、臓器線量係数のデータベースを作成した。 (3)WAZA-ARIを改良し、体型の異なるファントムを組込み、CT検査からの体型ごとの臓器線量を計算できるシステムに変更した(WAZA-ARI2)。WAZA-ARI2は、あらかじめ用意した体型のファントムの選択と、標準体型からの胸部有効直径の違いを利用した臓器線量の間接的推定を行うことのできるWeb計算システムに発展した。本研究の成果は、臨床現場でのCT検査に伴う線量計算をWeb上で簡単に行うことのできるシステムを構築することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
臨床の患者体型データの統計分析を基礎にした体型の異なるボクセルファントムの開発と、標準体型の異なる体型を持った患者に対する線量推定法の両者の結果をWAZA-ARI2に反映することができた。
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今後の研究の推進方策 |
Webシステム(WAZA-ARI2)が構築できたので、このシステムでの計算を実施し、臨床での検証を行っていく。これによって、改良点や今後の研究課題を明らかにしていく必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
共同研究者が集まって会議を行うための旅費が中心であり、各担当が最終年度としてシステムの検証を行う。
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