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2012 年度 実施状況報告書

高齢者に対する根治的放射線治療適応基準の確立に向けた研究

研究課題

研究課題/領域番号 23591830
研究機関北海道大学

研究代表者

鬼丸 力也  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80374461)

キーワード放射線治療 / 高齢者 / 肺癌 / 体幹部定位放射線治療 / 脊髄神経鞘腫
研究概要

高齢者に対する放射線治療が多く行われている疾患として肺癌があり、特に体幹部定位放射線治療が多く行われていた。高齢肺癌患者に対する体幹部定位放射線治療成績をまとめた。80歳以上の患者65人を検討し、3年生存率は54.6 %(95 % Confidence Interval (CI):42.4 to 70.3%)、5年生存率は47.4 %(95 % CI:34.4 to 65.3 %)であった。Progression free survival (PFS)は3年で42.4 %(95 % CI : 30.6 to 58.6 %)、局所制御率は3年で74.4%(95 % CI : 62.4 to 88.7 %)であった。間質性肺炎のあった患者でGrade3の放射線肺臓炎を発症したが、その他のGrade3の有害事象の発生は認めなかった。体幹部定位放射線治療は高齢者に対して安全かつ有効性の高い治療であることがわかった。以上の結果を米国放射線腫瘍学会でポスター発表を行った。
肺癌に対する体幹部定位放射線治療は高齢者に対しても安全に行える治療であることが判明し、高齢者の早期肺癌は放射線治療のよい適応であることがわかった。
体幹部定位放射線治療が低侵襲で高齢者にも有効である可能性が高く、その他の疾患で体幹部定位放射線治療の有効性が見られていないか検討したところ、少数例の加療ではあるが脊髄神経鞘腫に対する放射線治療が、重篤な合併症の発生も無く腫瘍の増大も押さえることができていることがわかり、論文を現在投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

肺癌に対する体幹部定位放射線治療は高齢者に対しても安全に行える治療であることが判明し、高齢者の早期肺癌は放射線治療のよい適応であることがわかった。
脊髄神経鞘腫に対しても、体幹部定位放射線治療は合併症が少なく有効な治療であることがわかり、体幹部定位放射線治療一般が高齢者に対しても安全に行える治療であることが示唆された。
以上の知見が得られ、研究目的の達成度はおおむね順調と判断した。

今後の研究の推進方策

高齢者の放射線治療中の体重変化などから、放射線治療が高齢者に与える負担について研究する。
強度変調放射線治療などの負担の少ない放射線治療が高齢者でも可能とされる条件を検討すべく、高齢者の放射線治療計画をreviewし、治療に支障が出た患者の特徴を検討する。

次年度の研究費の使用計画

経費の節減により生じた未使用額については、学会参加の旅費として使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Stereotactic Body Radiotherapy (SBRT) using Real-time Tracking Radiotherapy (RTRT) system for patients with lung cancer aged 80 and over.2012

    • 著者名/発表者名
      Onimaru R, Katoh N, Inoue T, Shimizu S, Shinagawa N, Sakakibara-Konishi J, Oizumi S, Shirato H.
    • 学会等名
      Annual meeting of American society of radiation oncology
    • 発表場所
      Boston Convention Center (USA)
    • 年月日
      20121028-20121031

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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