研究課題
局所進行子宮頸癌において同室内CT画像誘導の組織内併用腔内照射(ハイブリッド小線源治療)は組織内照射の代替手法となりうるかについて検討した。対象は、当施設で高線量率組織内照射が施行された、連続する婦人科腫瘍21症例である。各症例の実際の治療計画CT画像を用い、腔内照射プラン(タンデムのみに線源を配置)、腔内・組織内照射プラン(タンデムおよび、high-risk CTV(HR-CTV)辺縁に位置する1~2本の組織内刺入針に線源を配置)、組織内照射プラン(実際の組織内照射に準拠)を作製した。各治療計画について、直腸D2cc < 6 Gyかつ膀胱D2cc < 7 Gyを満たす範囲での最大線量をHR-CTVへ処方し、HR-CTV D90およびgain factor(GF = HR-CTV D90 / 直腸D2cc)を比較した。各プランにおけるHR-CTV D90平均値はそれぞれ4.6、7.1、8.4 Gy、GF平均値はそれぞれ0.8、1.3、1.5であった。腔内・組織内照射プランのHR-CTV D90およびGFは、全症例においてそれぞれ6.0 Gy、1.0を上回った。このことから、局所進行子宮頸癌において、CT画像誘導下に少数の組織内刺入針を併用した腔内・組織内照射は、腔内照射単独よりも直腸線量を押さえたまま腫瘍線量を増加させることが可能で、さらに、手技の熟練が必要な組織内照射単独の代替手法となる可能性が示唆された。骨盤内リンパ節転移に対する全骨盤照射後のブースト照射の最適化を図るため、腫瘍径と線量の相関を調べた結果、50Gy時点のリンパ節長径が1cm以上の制御率は76%で、1cm未満の97%よりも有意に不良であった。特にブースト線量が8Gyに達していない群で制御が不良であった。今後、外部照射が現在の中央遮蔽を用いた全骨盤照射から強度変調放射線治療へと移行する施設に於いては、こうした線量の違いを考慮する必要があると考えられた。
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