リン酸化プロテオーム情報を基盤とした放射線感受性機構の解析と予測法の開発

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23591834
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 放射線科学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 榎本 敦 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20323602)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: リン酸化プロテオーム / STK38 / 放射線感受性

研究概要

STK38は、AGCグループに属するプロテインキナーゼである。研究代表者は、これまで様々な癌細胞株において高いSTK38活性が保持されていること、STK38が酸化ストレス特異的に活性化されること、STK38のノックダウンは顕著な放射線増感を誘導すること等を報告してきた。本研究では、STK38の放射線感受性制御における意義を明らかにするためにリン酸化プロテオーム解析を駆使してSTK38の基質探索を行った。これまでにin vitroにおける基質としてDNA修復、細胞周期、細胞死誘導などの放射線応答を制御する因子を複数同定した。現在、これらの基質についてSTK38によるリン酸化の意義を解析している。

研究成果

• [雑誌論文] Anti-tumor activity of olaparib, a poly (ADP-ribose) polymerase(PARP) inhibitor, in cultured endometrial carcinoma cells (2014)
  • 著者名/発表者名: A. Miyasaka, K. Oda, Y. Ikeda, O.Wada-Hiraike, T. Kashiyama, A. Enomoto, N.Hosoya, T. Koso, T. Fukuda, K. Inaaba, K.Sone, Y. Uehara, R. Kurikawa, K. Nagasaka,Y.Matsumoto, T. Arimoto, S. Nakagawa, H.Kuramoto, K. Miyagawa, T. Yano, K. Kawana,Y. Osuga, T. Fujii
  • 雑誌名: BMC Cancer 巻: 14
  • 査読あり
• [雑誌論文] Evaluation of zinc (II) cheletors for inhibiting p53-mediated apoptosis (2013)
  • 著者名/発表者名: A. Morita, S. Ariyasu, S, Ohya, I.Takahashi, B. Wang, K. Tanaka, T. Uchida,H. Okazaki, K. Hanaya, A. Enomoto, M. Nenoi,M. Ikekita, S. Aoki, Y. Hosoi
  • 雑誌名: Oncotarget 巻: 4 ページ: 2439-2449
  • 査読あり
• [雑誌論文] The HSP 90 inhibitor 17-allylamino-17-demethoxygeldanamycin modulates radiosensitivity by downregulating serine/threonine kinase 38 via Sp1 inhibition (2013)
  • 著者名/発表者名: A. Enomoto, T. Fukasawa, N. Takamatsu,M. Ito, A. Morita, Y. Hosoi, and K. Miyagawa
  • 雑誌名: Eur. J. Cancer 巻: 49 ページ: 3547-3558
  • 査読あり
• [雑誌論文] Serine-Threonine Kinase 38 is regulated by Glycogen synthase kinase-3 and modulates oxidative stress-induced cell death (2012)
  • 著者名/発表者名: A. Enomoto, N. Kido, M. Ito, N.Takamatsu, and K. Miyagawa
  • 雑誌名: Free Radic. Biol. Med 巻: 52 ページ: 507-515
  • 査読あり
• [雑誌論文] STK38 の機能と分子標的としての可能性 (2012)
  • 著者名/発表者名: 深澤 毅倫、榎本 敦、宮川 清
  • 雑誌名: 放射線生物研究 巻: 47 ページ: 8-21
  • 査読あり
• [学会発表] HSP90 阻害剤17-AAG はSp1 阻害を介したSTK38 ダウンレギュレーションにより放射線増感を起こす (2014)
  • 著者名/発表者名: 榎本 敦、宮川 清
  • 学会等名: FIRST合同国際シンポジウム
  • 発表場所: 札幌市札幌パークホテル
  • 年月日: 2014-02-24
• [学会発表] STK38 は放射線細胞応答を多面的に制御する (2014)
  • 著者名/発表者名: 榎本 敦、深澤 毅倫、宮川 清
  • 学会等名: 第16回癌治療研究増感シンポジウム
  • 発表場所: 奈良県奈良市奈良県文化会館
  • 年月日: 2014-02-08
• [学会発表] 酸化ストレス応答とSTK38 (2013)
  • 著者名/発表者名: 榎本 敦
  • 学会等名: 第36回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: 兵庫県神戸市神戸国際会議場
  • 年月日: 2013-12-03
• [学会発表] 酸化ストレス応答とSTK38 (2013)
  • 著者名/発表者名: 榎本 敦
  • 学会等名: 日本放射線影響学会第56回大会 WS
  • 発表場所: 青森県青森市ホテルクラウンパレス青森
  • 年月日: 2013-10-19
• [学会発表] リン酸化プロテオーム情報を基盤とした放射線感受性メカニズムの解析 (2013)
  • 著者名/発表者名: 榎本 敦、深澤毅倫、宮川 清
  • 学会等名: 東京大学医学系研究科疾患生命工学センター10周年記念シンポジウム
  • 発表場所: 東京都文京区伊藤国際学術研究センター
  • 年月日: 2013-09-25
• [学会発表] STK38 は放射線細胞応答を多面的に制御する (2013)
  • 学会等名: 第15回癌治療研究増感シンポジウム
  • 発表場所: 奈良県奈良市猿沢荘
  • 年月日: 2013-02-10
• [学会発表] A role of STK38 in DNA damage response (2012)
  • 著者名/発表者名: 榎本 敦、深澤 毅倫、宮川 清
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会
  • 発表場所: 福岡県博多市福岡国際会議場
  • 年月日: 20121213-14
• [学会発表] 基質からみたSTK38 の放射線感受性制御における役割 (2012)
  • 著者名/発表者名: 榎本 敦、深澤 毅倫、宮川清
  • 学会等名: 第55回日本放射線影響学会大会
  • 発表場所: 東北大学医学部キャンパス
  • 年月日: 2012-09-07
• [学会発表] HSP90 阻害剤17-AAG によるSTK38 を介した放射線増感 (2012)
  • 著者名/発表者名: 榎本敦、深澤 毅倫、宮川 清
  • 学会等名: 第41回制癌シンポジウム
  • 発表場所: 沖縄県那覇市カルチャーリゾートフェストーネ
  • 年月日: 2012-06-30
• [学会発表] STK38/NDR1の発現制御機構の解析と酸化ストレス増感への応用 (2011)
  • 著者名/発表者名: 榎本 敦、伊藤 道彦、高松 信彦、宮川 清
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会
  • 発表場所: 神奈川県横浜市パシフィコ横浜
  • 年月日: 2011-12-15
• [学会発表] HSP90 阻害剤17-AAG の新しい放射線増感メカニズム (2011)
  • 著者名/発表者名: 榎本 敦、深澤 毅倫、宮川 清
  • 学会等名: 第54回日本放射線影響学会大会
  • 発表場所: 兵庫県神戸市神戸商工会議所
  • 年月日: 2011-11-19
• [図書] リン酸化タンパク質研究用ポリアクリルアミドゲルスーパーセップPhos-tag を用いた放射線照射後のリン酸化タンパク質の解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 榎本 敦
  • 総ページ数: 36
  • 出版者: 和光純薬時報, 1
• [図書] 放射線細胞応答に至るシグナル伝達のメカニズム解析と増感への応用 (2014)
  • 著者名/発表者名: 榎本 敦
  • 総ページ数: 9-10
  • 出版者: 放影協ニュース, 4