研究課題/領域番号 |
23591847
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
中村 隆二 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10180415)
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研究分担者 |
丹治 進 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (40254776)
山口 哲 岩手医科大学, 医学部, 助教 (10611006)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / 小線源治療 / 外照射放射線治療 / 直腸出血 |
研究概要 |
[研究成果] ヨウ素密封小線源永久挿入療法(BRT)と外照射放射線療法(EBRT)の合計線量-直腸体積ヒストグラム(Dose-Volume Histogram: DVH)をプロットする方法を確立した。BRTのプラン(30日後のポストプラン)とEBRTの照射プランのDICOM-RTファイルを用い、両者を一元的線量単位(生物学的等価線量:BED)に換算した上で3次元的に統合し線量-直腸体積ヒストグラム(Dose-Volume Histogram: BED-DVH)をプロットした。これによりBRTまたはEBRT単独治療の場合と同様に標準的な直腸線量指標(TG-43)を用いた解析が可能となった。[意義] 高リスク前立腺癌に対してBRT後にEBRTを追加する併用療法(BRT+EBRT)が標準治療になりつつあるが、治療後に隣接する直腸粘膜から高率に出血する。そのためBRTでの直腸線量からEBRTの照射範囲から直腸の遮蔽範囲を段階的に調整する経験的戦略がとられてきたが、これは前立腺線量を低下させ治療効果を劣化させるリスクを内包している。本研究で直腸の合計線量閾値があきらかになれば、EBRTで許容される直腸線量を算出できる。近年登場した強度変調放射線治療(IMRT)は本併用療法のEBRTに適用されるようになってきたが、患者ごとに異なる直腸線量制約を用いてIMRTを施行することで個別の放射線治療最適化が図られる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究「方法」前段のBRTとEBRTの生物学的等価線量を3次元的に統合する課題を、in-house soft-wareを開発して解決し、当院で使用しているBRT、EBRT治療計画装置を用いて統合線量マップをプロット出来ることが確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
当院で本併用療法を施行した症例のTG-43と治療後直腸出血の有無との相関を解析し、直腸出血を回避する合計線量閾値をあきらかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
医療統計ソフトウェアを購入して統計学的検定を行う。
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