研究課題/領域番号 |
23591847
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
中村 隆二 岩手医科大学, 医学部, 教授 (10180415)
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研究分担者 |
丹治 進 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (40254776)
山口 哲 岩手医科大学, 医学部, 助教 (10611006)
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キーワード | 小線源治療 / 外照射放射線治療 / 併用放射線治療 / 前立腺癌 / 直腸出血 |
研究概要 |
37の前立腺癌に対する小線源治療(BRT)後30日にCTを撮像し、BRTを再現して線量計算を行い(ポストプラン)同時に外照射(EBRT)の治療計画を立案した。ポストプランとEBRTのDICOM-RTファイルを取り出し物理線量を個別の計算式で生物学的等価線量(BED)に置換してDICOM-RTを書き換え、EBRT治療計画装置にもどした。各DICOM-RTを既存のモジュールを用いて3次元的に合算し直腸の線量-体積ヒストグラムをプロットし、被曝線量パラメータを算出した。治療後grade 2以上の直腸出血をおこした症例(出血群:5例)とおこさなかった症例(対照群:32例)とのあいだで各パラメータの平均値を比較し、出血群の比率が高くなるパラメータの閾値を求めた。いずれのパラメータにおいても対照群に比べて出血群の平均値が高く(p>0.05)、また、直腸が150Gy(BED)被曝する体積が1.2cc以上になると出血群の比率が高くなる(p<0.05)ことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
DICOM-RTファイルを書き換えるプログラムを開発できたことで、線量率の異なる物理線量を単一のBED単位の3次元分布が得られ被曝線量の正確な比較が可能となった。本法により被曝線量と直腸出血との相関が示唆され、さらに出血を予防する閾値が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
BRTポストプランの結果に基づいて直腸出血を回避するEBRTによる直腸線量の上限値(Max値)が算出される。EBRTとして強度変調放射線治療(IMRT)を用いてMax値を線量制限に組み込みインバースプランを行う方法を確立する。 BED合算線量による前立腺のDVHパラメータからPSA再発を予測する因子を探索する。
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次年度の研究費の使用計画 |
英文校正料、画像ファイルを保存するメディアの購入に用いる。
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