研究概要 |
初年度に、異なる放射線治療モダリティの組み合わせ(前立腺癌に対する密封小線源永久挿入療法[BRT]後に外照射放射線治療[EBRT]を追加)において、BRTポストプランとEBRT照射計画(これらは同一のCT画像を用いて線量計算が行われる)のDICOM-RT物理線量を生物学的等価線量(BED)に置換して、両プランを3次元的に統合する方法を確立した。これによりBRT+EBRTによる直腸被曝線量を一元的な体積-線量ヒストグラム(DVH)の指標(rV100, rV150)で評価することが可能となった。 次年度には当院でBRT+EBRTで治療した症例を用いて、rV100, rV150と治療後直腸出血の頻度とを対比し、rV150>1.2ccの場合に出血が有意に増加することを証明した。これらの成果は国内・外の学会で発表し、論文として掲載した。 最終年度には、BRT+IMRTに本法を応用する仮想プラン(BRT+on base dose IMRT)を考案した。BRTポストプランをBED変換した後、これを1.8Gy/回の物理線量に再変換することでBRTポストプランを外照射ポストプランに改変した。このDICOM-RTにIMRTプランを上書きしながら、直腸の線量制限にrV93.6Gy(BEDで150Gy)<1.2ccを加え最適化した。BRT+EBRTでrV150>1.2ccであった5例においてもBRT+on dose base IMRTは前立腺線量を維持しながら(BED>200)rV150<1.2ccを達成できた。
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