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2012 年度 実施状況報告書

肺癌治療に直結する因子としてのSUVmax定量性確立と多数の定位治療例による検証

研究課題

研究課題/領域番号 23591850
研究機関東海大学

研究代表者

武田 篤也  東海大学, 医学部, 非常勤教員 (80296699)

研究分担者 国枝 悦夫  東海大学, 医学部, 教授 (70170008)
藤井 博史  独立行政法人国立がん研究センター, 東病院臨床開発センター機能診断開発部, 部長 (80218982)
キーワード定位放射線治療 / FDG-PET
研究概要

我々はFDG-PETでのSUVmaxは早期肺癌の体幹部定位放射線治療の多変量解析において、唯一有意な局所再発の予後因子とみなしている。一方、有意差なしや逆相関の結果も示されている。この乖離の原因として、実測SUVmaxは撮像機種、腫瘍サイズ 、呼吸変動、腫瘍背景等の依存があり、この施設ごとの乖離原因を探るには多施設での測定方法の検証が必要である。再発率が高ければそれに応じて高線量照射することにより最適の線量処方が可能になるので、予後予測のみならず治療方法選択に非常に大きなインパクトを与える。本研究では1誤差要因を補正する評価法を確立する。また2既に治療成績の蓄積されている肺癌体幹部定位放射線治療前の実測SUVmax、補正後「真のSUVmax」と治療成績との相関を調べ、その有用性を検証し、SUVmaxの標準化、多施設研究への基盤とする。平成24年度は、1. 補正換算式に必要な各因子を、約200例の肺癌体幹部定位放射線治療の臨床情報、画像情報より再抽出し、不足分を データベースに再入力 2. 臨床データより算出された真のSUVmaxと既に結果の出ている治療成績の相関を検証した。3.次年度に向けて、測定施設(国立ガンセンター東、ゆうあいクリニック等)、機種の選定をおこない、calibrationの実験を行った。4.同時に治療後再発診断にSUVmaxが有用であるかを検証した。その際に閾値となるSUVmaxは孤立性肺腫瘤の悪性度判定に用いる閾値より高い数値となった。ここには背景となる正常肺、線維化した浸潤影の集積の違いが影響を与えている可能性が示唆される。5.同時に、大船中央病院における肺癌体幹部定位放射線治療施行患者数が増加、経過観察期間が延長したため、改めて実測のSUVmaxがOSとDFSに寄与するかを解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

補正換算式に必要な各因子を、約200例の肺癌体幹部定位放射線治療の臨床情報、画像情報より再抽出し、不足分を データベースに再入力、 臨床データより算出された真のSUVmaxと既に結果の出ている治療成績の相関を検証し、更にOSとDFSにSUVmaxが寄与するかの論文執筆を予定するなど順調。

今後の研究の推進方策

今年度の積み残してである事項、すなわち簡便かつ高精度な 補正換算式を求める。実臨床にて簡便に利用できるソフトを作成。別機種で撮像されたFDG-PETのSUVmaxの標準化については、藤井より、関連学会関係者に質問中であり、今後さらに検討する。補正換算式を簡便かつ精度の高い式へと改良を試み、複数の施設の幾つかの機種で実験をおこなう。それぞれの施設でのデータの補正 をおこない多施設共同試験のための標準化測定法として妥当か検証する。 効果的に研究を進める上で、国立がんセンター東病院の既存開発環境を利用し、その後にゆうあいクリニックで同様に施行予定等、効率的に研究を推進する。また既に施行されたPET-CTの画像データを、大船中央病院にて患者臨床情報、治療成績についてデータベースを構築し、蓄積している。

次年度の研究費の使用計画

研究打ち合わせのための国内旅費、国内学会のための旅費を予定する。
その他、ソフト作成のための費用、PET-CT装置の操作に携わるボランティア技師への謝金、英語論文校正費用、研究協力者との通信費、論文投稿料の使用を予定する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Evaluation for local failure by (18)F-FDG PET/CT in comparison with CT findings after stereotactic body radiotherapy (SBRT) for localized non-small-cell lung cancer2013

    • 著者名/発表者名
      Takeda, A. Kunieda, E. Fujii, H. Yokosuka, N. Aoki, Y. Oooka, Y. Oku, Y. Ohashi, T. Sanuki, N. Mizuno, T. Ozawa, Y.
    • 雑誌名

      Lung Cancer

      巻: 79 ページ: 248-53

    • DOI

      10.1016/j.lungcan.2012.11.008 S0169-5002(12)00629-0 [pii]

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reassessment of Declines in Pulmonary Function 1 Year or More after Stereotactic Body Radiotherapy (SBRT)2013

    • 著者名/発表者名
      Takeda, A. Enomoto, T. Sanuki, N. Handa, H. Aoki, Y. Oku, Y. Kunieda E.
    • 雑誌名

      Chest

      巻: 143 ページ: 130-137

    • DOI

      chest.12-0207 [pii] 10.1378/chest.12-0207

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stereotactic body radiotherapy (SBRT) for solitary pulmonary nodules clinically diagnosed as lung cancer with no pathological confirmation: comparison with non-small-cell lung cancer2012

    • 著者名/発表者名
      Takeda, A. Kunieda E. Sanuki, N. Aoki, Y. Oku, Y. Handa, H.
    • 雑誌名

      Lung Cancer

      巻: 77 ページ: 77-82

    • DOI

      S0169-5002(12)00016-5 [pii] 10.1016/j.lungcan.2012.01.006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Comparison of clinical, tumour-related and dosimetric factors in grade 0-1, grade 2 and grade 3 radiation pneumonitis after stereotactic body radiotherapy for lung tumours2012

    • 著者名/発表者名
      Takeda, A. Ohashi, T. Kunieda, E. Sanuki, N. Enomoto, T. Takeda, T. Oku, Y. Shigematsu, N.
    • 雑誌名

      British Journal of Radiology

      巻: 85 ページ: 636-642

    • DOI

      71635286 [pii] 10.1259/bjr/71635286

    • 査読あり
  • [学会発表] 限局性NSCLC(T1-4N0M0)と診断されたoctogenarianに対する体幹部定位放射線治療2012

    • 著者名/発表者名
      武田篤也
    • 学会等名
      日本放射線腫瘍学会第25回学術大会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20121123-20121125
  • [学会発表] 80歳以上限局非小細胞肺癌(T1-4N0M0)に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)の治療成績2012

    • 著者名/発表者名
      武田篤也
    • 学会等名
      第53回日本肺癌学会総会
    • 発表場所
      岡山コンベンションセンター
    • 年月日
      20121108-20121109

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公開日: 2014-07-24  

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