研究分担者 |
宮崎 勝 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70166156)
清水 宏明 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80272318)
吉留 博之 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10312935)
高屋敷 吏 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30456024)
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研究概要 |
本研究の目的は、過大侵襲時の免疫担当細胞の各分画 [PMN, CD4+ Tcells, CD8+ T cells, CD19+ B cells, CD56+ NK, CD14+ monocytes] について、パターン認識受容体・プリン受容体シグナルを解析し、重症感染症や臓器不全の発症機序を解明するとともに、その治療戦略を構築することにある。免疫担当細胞の各分画では、CD14+ Monocytes についてはTLRs, NLRP3及びプリン受容体シグナルとM1, M2機能を制御する転写因子(AP-1, NF-kB, IRF3, CREB, CEBPβ等)、CD4+ TcellsについてはNLRP3及びプリン受容体シグナルとTh1, Th2, Treg及びTh17への分化誘導関与する転写因子(T-bet, GATA-3, FOXP3及びRORγT)、Neutrophilsについてはmitochondrial DNA-TLR-9シグナルを中心に解析を進めている。平成23年度中に明らかにされたことは以下のごとくである(1)CD14+ monocytesの術前P2X7 (ATP受容体)発現は術後感染症・臓器不全非合併症例で有意に高値を示し、術後感染・臓器不全の防御との関連が示唆された。(2)CD14+ monocytesのTLR-2, TLR-4発現は術後感染症・臓器不全合併症例で術後有意に増強し、術後に成立した感染症の起因菌の排除に関連することが示唆された。(3)CD4+ Tcellsについては分化誘導に関与する転写因子の中でRORγTが術後感染症・臓器不全非合併症例で増強を示し、術後感染・臓器不全の防御との関連が示唆された。(4)PMNのパターン認識受容体・プリン受容体発現は非常にばらつきが大きく、2群間で有意差を認めなかった。
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