研究課題/領域番号 |
23591865
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
北市 隆 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (20335813)
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研究分担者 |
北川 哲也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80240886)
黒部 裕嗣 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30380083)
菅野 幹雄 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (70563807)
中山 泰介 徳島大学, 大学病院, 医員 (80582791)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | リンパ浮腫 / 骨髄単核球細胞移植 / リンパ管新生 |
研究概要 |
<研究目的>本研究は,未だ有効な治療法が確立されていないリンパ浮腫に対して,単核球細胞移植治療の可能性を研究,開発するものである.リンパ浮腫(ラットによるリンパ浮腫モデル)に対する単核球細胞移植の 1. 浮腫の軽減効果, 2. 有効な移植経路,3. リンパ管新生の有無,4. リンパ管新生の機序を明らかにする.<研究方法概要>1. ラットtailに二次性リンパ浮腫を作成 2. 異なるラット骨髄より単核球細胞を採取,分離 3. ラットtailリンパ浮腫モデルへ,(1)局所投与,(2)患肢中枢側動脈内投与の2種類の投与法にて骨髄単核球細胞移植を施行 4. リンパ浮腫に対する単核球細胞移植の有効性を,(1)ラットtail周囲径の変化,(2)リンパ管新生(マクロな変化および病理学的変化),(3)リンパ管新生機序(VEGF-C,VEGFR-3系の評価)を評価,検討する. (実験モデルの作成)週齢8-9の雌性ラットを用い,リンパ管を同定するために0.5% Patent blueをラットtail先端の皮下に注入する.tail基部にて全周性の皮膚切開をおき,尾動静脈は温存しつつ皮下組織も全周性に切開を加え体幹とtailとの間に2-4mmの間隙を作成,tailの側方にある深部の染色されたリンパ管を確認,剥離後,結紮切離する. 創縁は全周にわたり電気メスにて焼却を加えるだけで放置し二次治癒を待つ.術後経時的に,tailの周囲径を計測する.創部が治癒し,リンパ浮腫が形成されるのを確認する. <研究結果>リンパ浮腫モデルをラットより扱いやすいマウスにて作成することを試みた.上記方法にてマウスtailの二次性リンパ浮腫作成を試みているが,(1)リンパ管同定の困難性.(2)一時的な浮腫はできるが自然軽快する.(3)浮腫の程度が様々といった理由により良好なモデル作成に至っていない.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
<理由>実験の効率化,簡便性を考え,実験動物としてラットではなくマウスを使用した.マウスtailの二次性リンパ浮腫モデル作成を試みたが,(1)リンパ管同定と郭清の困難性(個体のサイズの問題も関与).(2)作成された浮腫が自然軽快する.(3)浮腫の程度が様々といった理由により安定したモデル作成に至っていない.
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今後の研究の推進方策 |
リンパ浮腫モデルの確立を目指す。対策として、作成技術の習熟とともにマウスのリンパ管郭清方法を見直し、体幹とtailの間隙の距離、郭清部断端の処理方法を改良してみる。これでも困難な場合には原案通りラットにてモデル作成を試みるか、ウサギ耳でのリンパ浮腫作成も視野に入れる。リンパ浮腫モデルが確立できれば,単核球の採取と静脈内投与の方法についてはすでに単核球移植による肺血管床新生の研究において確立されている.リンパ管新生に対する評価方法やそのメカニズム解明においても同様な方法論が利用できると考える.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究遂行に必要な実験動物,実験器具,各種試薬購入と測定機器購入.また,研究に対する調査費用および研究発表に要する費用に使用予定である.次年度に高額な機器を購入する可能性があるため繰り越し.
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