研究課題/領域番号 |
23591866
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
鈴木 康之 香川大学, 医学部, 教授 (40304092)
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研究分担者 |
柏木 裕貴 香川大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20464365)
徳田 雅明 香川大学, 医学部, 教授 (10163974)
岡野 圭一 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (20314916)
M・A HOSSAIN 香川大学, 医学部, 研究員 (20294754)
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キーワード | 膵島移植 / 希少糖 |
研究概要 |
平成24年4月より必要物品・ラットを購入し実験を開始した。しかし膵島分離は非常に特殊な手技であり、その安定に時間と相応のラット数を要した。 膵臓の二層法保存にD-alloseを添加して有用性をみる実験では、まず有用性の有無をおおまかに判断するため、現在50mMの濃度のみで検討を行っている。これまでの結果からは有意差はないものの、D-allose投与群で膵島収量が高い傾向にあり、nを増やして検討を継続している。 また分離後膵島の保存実験では、D-alloseの濃度を1~50mMまでのいくつかに振り分けた実験を行い、24時間培養保存のみでの検討だが、D-alloseを添加した方が有意にインスリン分泌能を改善することをつきとめた。しかしnが少なく、使用したラットの週数なども統一できていなかった。また添加するD-allose濃度も25mMが最も良いと思われる結果が判明し、現在はラットの週数を統一し、添加するD-allose濃度も25mMに統一したプロトコールで再度有意差が出るか検討を重ねている。 なお平成25年3月1日に香川県高松市で開催された第40回日本膵・膵島移植研究会において、研究分担者である柏木がこれまでの研究結果について報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究を開始するに当たり、まず特殊な手技である膵島分離手技を安定させなくてはならなかったため、それに時間を要した。ラットの週数や各種薬剤、必要物品などの選択も行わなくてはならず、そのための予備実験も必要であった。現在はin vitroでの実験を行っているが、上記の通り手技の安定やマンパワーの不足などにより、D-alloseが有効であることのメカニズムの解明についてやvivoでの移植実験などには入れていないのが現状である。
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今後の研究の推進方策 |
まず使用するラットの背景および添加するD-alloseの濃度を均一化したプロトコールでのデータ集積を図り、D-alloseの有効性についてを明らかなものとして確立する。 その後保存した膵臓や膵島の形態学的な観察を行うと同時に、D-alloseの有効性の根拠として考えられる抗酸化作用の証明にむけてフリーラジカルの解析などを行う予定である。vitroでの有効性・メカニズムが証明されればvivoでの移植実験に移行していく方針である。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記方針に従って、必要数のラットや試薬・消耗品の追加、および形態学的観察のための各種免疫染色キット・フリーラジカル解析のためのキットなどを検討し購入する予定である。
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