研究課題/領域番号 |
23591866
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
鈴木 康之 香川大学, 医学部, 教授 (40304092)
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研究分担者 |
柏木 裕貴 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (20464365)
徳田 雅明 香川大学, 医学部, 教授 (10163974)
岡野 圭一 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (20314916)
M・A HOSSAIN 香川大学, 医学部, その他 (20294754)
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キーワード | 希少糖 / 膵島移植 |
研究概要 |
まずラット摘出膵の二層法保存において、D-アロースの添加により分離膵島の収量を増加できるか否かについては、nを増やして検討したがD-アロース添加群とコントロール群の膵島収量に有意差を認めなかったため、効果無しと判断して検討は終了とした。一方、分離後膵島の培養時にD-アロースを添加することで膵島機能の改善を図れるかについては、D-アロースを25mM添加培養した群のインスリン分泌能(stimulation index; SI)がコントロール群のSIよりも有意に高値となり、D-アロース添加培養により分離後膵島のインスリン分泌能が有意に改善されることが判明した。この効果はin vivoにおいても確認され、D-アロース添加培養を行った膵島をストレプトゾトシン投与により1型糖尿病モデルにしたヌードマウスの腎被膜下に移植したところ、D-アロース非添加培養を行った膵島を移植したコントロール群のヌードマウスに比べ、有意に糖尿病治癒率が高いことが判明した。このD-アロースによる膵島機能の改善効果の機序として、これまでの報告からD-アロースのもつ抗酸化作用が考えられ、脂質過酸化反応の指標の一つであるmalondialdehyde(MDA)値を測定し比較検討したところ、D-アロース添加培養群の膵島中のMDA値がD-アロース非添加培養を行ったコントロール群の膵島中のMDA値よりも有意に減少していることが判明し、D-アロースのもつ抗酸化作用が分離後膵島の機能改善の機序の一端であることが示唆された。 なおこれらの成果は、研究分担者である柏木が現在論文を作成し、投稿準備中である。また平成26年3月7日に開催された第41回膵・膵島移植研究会で、研究分担者である柏木が今回の成果を発表しており、加えて平成26年9月10日に開催予定の第50回日本移植学会総会に演題応募予定としている。
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