研究課題/領域番号 |
23591871
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
石井 証 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40468129)
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研究分担者 |
伊勢 一哉 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90363746)
清水 裕史 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (70553709)
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キーワード | I型糖尿病 / 細胞シート / 組織工学 / 膵島移植 / 異種移植 |
研究概要 |
【はじめに】我々は、膵島移植研究において、ティッシュエンジニアリングの手法を取り入れた膵島細胞シートを発明している(Biomaterials. 30:5943-9,2009)。今回は、異種移植条件を設定し、膵島移植の臨床応用への道を探った。 【方法】Lewisラットの分離膵島をトリプシン処理にて単離し、Laminin-5薄層コートした温度応答性培養皿にて接着培養を行い、培養2日目に培養温度を20℃に変化させることにより、膵島細胞をシートとして回収した。作成した細胞シートを異種(B6)マウスの皮下に移植し、移植部位での膵島細胞シートの形態と機能に関して観察した。ストレプトゾトシンで糖尿病を誘発B6マウスへの皮下に移植し、血糖上昇が見られた時点の移植片を摘出し、免疫染色にて観察した。 【結果】移植した皮下組織においてInsulinおよびGlucagon陽性細胞から構成される膵島組織を確認した。糖尿病マウスへの移植後に、血糖値の正常化は認めず、移植部位には炎症性細胞浸潤を確認した。また、マイトマイシン処置により数日間の血糖値低下を認めた。 【考察】異種移植において膵島細胞シートは生着しなかった。今後、免疫寛容の誘導が課題となる。将来においては、iPS細胞やES細胞などのcell sourceを用いた膵島移植における有用な手法になりうると考えられる。
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