研究課題/領域番号 |
23591874
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
中村 公紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80364090)
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研究分担者 |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
岩橋 誠 和歌山県立医科大学, 医学部, 研究員 (70244738)
中森 幹人 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10322372)
尾島 敏康 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60448785)
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キーワード | 樹状細胞 / iPS細胞 / 癌免疫療法 |
研究概要 |
本年度は、腫瘍抗原遺伝子gp100発現iPS細胞由来樹状細胞を用いた抗腫瘍効果の検討を行い、iPS細胞由来樹状細胞(iPSDCs)と骨髄由来樹状細胞(BMDCs)の抗腫瘍効果の比較を行った。具体的には、CTL(cytotoxic T lymphocyte)の誘導、マウス皮下腫瘍モデルの検討を行った。具体的実験は以下の通りである。 1. gp100遺伝子導入iPSDCsワクチンによる特異的CTLsの誘導と誘導されたCTLの解析: Adenovirus-vectorを用いてgp100遺伝子を導入したiPSDCs(iPSDCs-AxCAgp100)とBMDCs(BMDCs-AxCAgp100)をマウス皮下に投与し、CD8(+)CTLを誘導し、gp100遺伝子を発現しているB16細胞を標的細胞にした51Cr-release assayを行った。その結果、iPSDCs-AxCAgp100群とBMDCs-AxCAgp100群において、コントロール群に比べ、有意に高い細胞障害活性を認め、これら2群の間には差は認めなかった。 2. マウス皮下腫瘍モデルに対するgp100発現iPS由来樹状細胞の抗腫瘍効果に関する検討: gp100陽性のB16細胞をマウスに皮下投与し、5日目にiPSDCs-AxCAgp100、BMDCs-AxCAgp100をそれぞれマウス皮下に投与し、経時的に腫瘍サイズを計測した。その結果、iPSDCs-AxCAgp100群とBMDCs-AxCAgp100群において、コントロール群に比べ、有意に高い腫瘍増殖抑制効果を認め、これら2群間には差は認めなかった。 当初の予定であった大腸癌幹細胞の同定、分離には非常に難渋し、同定することができなかった。しかし、以上の結果により、iPS細胞由来樹状細胞を用いた癌免疫療法の有用性が証明でき、今後、臨床応用の可能性が期待できると考える。
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