研究課題
自己組織で内皮化された人工血管、再生小口径動脈の臨床応用を最終目的に吸収性ポリマーと人工血管(PTFE)などを組みあわて再生小口径血管の作製を目的としている。優れた小口径人工血管の条件は血栓閉塞のない、patency に優れ、かつ高圧系での強度(耐圧性)がある事などが挙げられている。従来の人工血管では早期の血栓閉塞が高率に発生し、組織吸収性素材では植え込み後の破裂例も発生しているのが実情で、実験系の確立は困難であった。素材と組織親和性についての検討が必須であると考えられた。再生吸収性素材の組成が早期の組織形成に重要である事が分かっているために、まずは動脈組織と素材の組織親和性を検証し高圧系にても耐圧するポリマーのデザイン及び製造条件の検証を行っている。ポリマーは主にPLLAとPGAを組み合わせそれらの製造加工方法条件を確立してゆく。組織形成の条件検索及び素材の耐圧性、遠隔期の瘤形成有無もビーグル犬を用いた移植実験にて行う.径時的な組織形成の過程の検討も行う。組織学的検討では、組織形成の有無、細胞浸潤とその細胞種類、内皮化の有無と血栓防止効果について検討する。必要に応じて免疫染色等の手法を用いて組織形成について評価する。摘出したグラフトの耐圧測定を行い、強度についても異なった素材で検討する。その後、素材の確定後導管化し同様の実験系で評価を行う。この際には合わせてpatency も評価可能である。
3: やや遅れている
小口径化により血栓による閉塞を認めるためにポリマーの組成および条件が依然定まっていないため。
動脈圧に耐圧し、正常血管を再生させるための生体吸収性素材の開発を進めていく。主にPLLAとPGAを組合せ、それらの製造加工方法、製造条件を確立していく。組織形成のための条件が模索できた際には、素材の導管化、小口径化を図る。まずは、素材の耐圧性と遠隔期での瘤化の有無をビーグル犬への埋植実験にて行うことで、素材の条件を模索していく。
実験系の確立に時間を有し使用する人工血管の作製及び供給に遅れが出たため来年度までの延長を申請いたします。埋植実験のための実験動物の購入および飼育費用 生化学的実験のための試薬等の購入
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 4件)
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