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2011 年度 実施状況報告書

脱分化脂肪細胞(DFAT)を用いた臓器移植モデルにおける急性期拒絶反応制御の検討

研究課題

研究課題/領域番号 23591879
研究機関日本大学

研究代表者

杉藤 公信  日本大学, 医学部, 助教 (10328750)

研究分担者 越永 從道  日本大学, 医学部, 教授 (70205376)
松本 太郎  日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
池田 太郎  日本大学, 医学部, 助教 (00318396)
小沼 憲祥  日本大学, 医学部, 専修医 (50553103)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードDFAT / 前駆脂肪細胞 / 皮膚移植 / 免疫抑制
研究概要

DFATのもつ免疫抑制能を検討するために、本年度はマウスの皮膚-皮膚交換移植を用いた臓器拒絶モデルを作製し、DFAT投与による臓器移植片の延長を検討した。まず、皮膚-皮膚交換移植モデルの確立を行った。当初、B6マウスの耳介皮膚をC3Hの皮膚欠損部に生着させて、皮膚移植モデルを検討したが、物理的刺激により、移植片の脱落が起こり、移植片の拒絶反応評価が困難であった。そこで、B6マウスとC3Hマウスの背部皮膚の交換移植を行った。両マウスの背部皮膚を1cm四方切除し、交換移植の際に5-0PDSを用いて、移植片と宿主側の皮膚の結紮縫合を行った。移植片の拒絶反応を評価するために、移植後から二日ごとに移植片の写真を撮影し、Image Jを用いて移植片の面積を比較した。移植片の面積が移植当日の移植片面積と比較し約50%を下回ったところで、graft failureと判断し、組織片を採取した。B6マウスとC3Hマウスはともに移植日より約8日から10日目にてgraft failureとなった。また、炎症性細胞の浸潤を評価するために、経時的に移植片を採取し、HE染色を行ったところ、炎症性細胞の浸潤が最も強く見られたのは、移植日より約4日から6日の間であった。皮膚-皮膚交換移植モデルが確立したところで、DFAT投与による移植片の生着延長を検討した。DFAT投与は移植日当日に、宿主側の皮下に1x105x4ヶ所局所投与した。対照群としてPBSを局所投与し、移植片の面積を測定した。PBS投与群がgraft failureとなった時点では、DFAT投与群はgraft failureとならず、DFAT投与による移植片の生着延長効果がみられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

皮膚移植モデルの確立に時間がかかり、DFAT投与にて移植片の正着延長は見られたものの、免疫組織化学等の検討まで十分に行えていないため。

今後の研究の推進方策

マウス皮膚-皮膚交換移植ではDFAT投与による移植片の生着延長が認められた。そこで、移植片における免疫組織化学にてTリンパ球、Bリンパ球、マクロファージの移植片生着延長への関与を検討する。また、DFAT投与の際にQ trackerにて細胞追跡を行い、投与したDFATの動向を検討する。 マウス皮膚-皮膚交換移植にてリンパ球の豊富な組織におけるDFATの免疫抑制効果が証明されたことから、次に血流の豊富な心臓移植モデルにおけるDFAT投与の効果を検討する。心臓移植モデルはラットにて行い、腹部大動脈への異所性心臓移植にてモデルを作製する。DFAT投与は、移植した際の動脈側からへの注入と、移植後における尾静脈からの投与法を検討する。臓器拒絶は体外からの心拍動の触知がなくなった時にgraft failureと判断する。DFAT投与によるgraft failureの延長を確認し、移植心臓における組織検討をHE染色、免疫組織化学で評価する。また、移植心臓より蛋白質を抽出し、サイトカインの発現を検討するとともに、血中における免疫関連因子の発現を検討する。

次年度の研究費の使用計画

マウスを用いた皮膚‐皮膚交換移植モデルに対するDFAT効果の検討は次年度においても行うために、異所性心臓移植モデルに用いるラットとともにマウスの購入が必要となる。また、細胞投与時の細胞調節の際に培養関連試薬や、移植片の評価のため、組織関連物品とともに免疫組織化学やサイトカインアレイに必要な各種抗体の購入が必要となる。

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公開日: 2013-07-10  

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