研究課題/領域番号 |
23591879
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
杉藤 公信 日本大学, 医学部, 助教 (10328750)
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研究分担者 |
越永 從道 日本大学, 医学部, 教授 (70205376)
松本 太郎 日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
池田 太郎 日本大学, 医学部, 助教 (00318396)
小沼 憲祥 日本大学, 医学部, その他 (50553103)
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キーワード | 移植・再生医療 / 再生医学 / 小児外科 |
研究概要 |
前年度においては皮膚-皮膚交換移植のモデル作成とともに、DFATの局所投与による移植片の生着延長を確認してきた。本年度は、DFATが生着延長に寄与する機序の検討と他の細胞種(negative control:繊維芽細胞)を用いた確認の検討を同時に施行した。結果、DFATによる生着延長と繊維芽細胞の局所投与による生着延長には有意差はなく、生着延長自体、DFATによる効果かどうかの懸念が存在したために、細胞投与の方法の検討を行った。DFATの細胞投与方法は、局所投与以外に、静脈投与、並びに温度感受性細胞シートを用いたDFAT投与方法を施行した。しかしながら、DFAT投与の方法を変更しても、皮膚生着率の有意な上昇は見られなかった。そこで確認のために、再度ディッシュ上によるDFATの免疫抑制効果、並びに免疫制御因子の発現検討を行ったところ、DFATは濃度依存性にリンパ球の増殖を抑制することが明らかとなり、また、IFNγ、TNFα、IFNβの刺激により免疫制御関連因子(TRAIL,IDO1)の発現が上昇していることも明らかとなった。DFATの持つ免疫抑制能に関しては存在するものの、移植実験には効果が現れてこないために、今後はDFATの単体投与ではなく、免疫抑制剤等の同時投与にて移植片の生着延長効果を検討することとした。 一方、当該研究における動物実験として異所性心臓移植モデルを掲げていたこともあり、ラットを用いた異所性心臓移植モデルの作成を行った。ドナーの心臓を摘出、レシピエントの胸部大動脈に血管吻合することで上記モデルの作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
皮膚-皮膚交換移植モデルによる生着延長の効果検討に関しては、DFAT単体投与による効果があまり認められないことが判明したために、再度DFATと免疫抑制剤の併用投与による効果検討を行う必要が出た。 また、異所性心臓移植に関してはモデル作成に時間がかかり、コントロールとしての心臓移植後の拒絶時間にばらつきが存在し、未だDFAT投与の効果検討には至ってはいない。
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今後の研究の推進方策 |
皮膚-皮膚交換移植モデルに対する、DFAT並びに免疫抑制剤等の併用投与を行い、皮膚片の生着延長を試みる。 また、異所性心臓移植の確立並びにDFAT併用投与による移植心臓の生着延長を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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