マウス盲腸穿刺結紮術(CLP)による脂肪および肺組織の炎症に対するPPARγリガンドの作用機序について検討した.マウスCLPを作製し,PPARγリガンド前投与CLP群(P群),CLP単独群(C群)とsham群で検討した.C群の腹腔液および血中TNF-α値は,P群に比して有意に高値だった.脂肪組織TNF-α mRNA発現は,C群に比してP群で有意に抑制された.C群では肺胞上皮傷害や間質への細胞浸潤,アポトーシスおよびJNK kinase活性化が著しかったが,P群は軽度であった. CLPに対するPPARγリガンド投与は,脂肪細胞からTNF-α産生を減弱させ,肺組織の炎症を軽減することが示唆された.
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