研究課題/領域番号 |
23591890
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
藤井 孝明 群馬大学, 医学部, 助教 (40507331)
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研究分担者 |
山口 悟 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20344947)
堤 荘一 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30323356)
浅尾 高行 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40212469)
高橋 篤 群馬大学, 医学部, 准教授 (00323337)
大野 哲郎 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60451712)
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キーワード | shh / angiopoietin / 血管新生 / FGF-2 / リンパ節転移 |
研究概要 |
発生段階において重要なmorphogen であるSonic hedgehog(Shh)はVEGF、Ang-1を介して血管新生に関与すると報告されている(Roberto Pora, et al. Nat Med,2001)。またShhは糖尿病性の創傷治癒やNeuropathyを、血管新生を介して改善するなどの報告もされてきている。申請者らは、FGF-2による治療的血管新生のメカニズムについて報 告してきているが、ShhとFGF-2がangiopoietin-1,-2の発現を制御するという研究結果を報告している。血管新生における内因性のShhの役割、さらにFGF-2による血管新生のメカニズムとの関連性を検討する。これまで、マウス下肢虚血モデルにおいて、Shhが発現亢進していることを確認している。また同じモデルにおいて、Shhと同じく、発生段階で発現が認められるmidkineの発現が亢進していることを確認している。また、腫瘍におけるリンパ節転移におけるリンパ節被膜浸潤の意義を検討し報告している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Shhは血管新生、腫瘍発生に関与している。ShhとFGF-2がangiopoietin-1,-2の発現を制御し、マウス下肢虚血モデルにおいて、Shhが発現亢進していることを確認している。また、midkineの発現亢進も確認できており、Shh、midkineの血管新生における役割を明らかにしつつある。また、腫瘍におけるリンパ節転移におけるリンパ節被膜浸潤の意義を検討し報告している。
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今後の研究の推進方策 |
血管新生におけるShh、midkineの役割を、hedgehogの阻害剤を用い検討する。また、申請者らはPKC/PDGF-BB経路が糖尿病性血管障害の発生初期段階に最も重要であることが明らかにし、さらに多面的効果をもつスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害剤)はeNOS/NOを介して糖尿病性血管障害を改善することを報告している。Shhは糖尿病性の創傷治癒やNeuropathyを、血管新生を介して改善することが報告されてきている。今後は、糖尿病モデルマウスにおけるShh発現の病態学的意義をhedgehogの阻害剤を用い検討し、さらにShhのPDGF-BBなど血管新生因子との関連、スタチン投与によるShh発現の変化などを解析していく。また腫瘍血管新生などとの関連を検討する。引き続き腫瘍、リンパ節転移との関連も検討していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
STZ-DMマウスの下肢で、Shh、midkineの発現を確認する。STZ-DMマウスに重症下肢虚血手術を施行、Hedgehog阻害剤であるシクロパミンを投与し、血流回復効果の変化をレーザードップラーにて測定、免疫染色にて血管管腔数を測定、病理組織学的解析を加え、糖尿病性血管障害におけるShhの機能を検討する。またAng-1、Ang-2、VEGF、PDGF-BBなど各種血管新生因子の発現を解析する。さらに同モデルに対するスタチン投与による血流効果改善機能にShhが関与していないか、Hedgehog阻害剤であるシクロパミンを投与し関連性を検討する。また、腫瘍におけるリンパ節転移におけるリンパ節被膜浸潤の意義、さらにShhの意義を検討していく。そのため、実験用動物、試薬等に研究費を使用予定である。予定である。また、腫瘍におけるリンパ節転移におけるリンパ節被膜浸潤の意義、さらにShh、midkineの意義を検討していく。
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