研究課題/領域番号 |
23591892
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
古川 勝規 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (00400987)
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研究分担者 |
宮崎 勝 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70166156)
木村 文夫 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70334208)
大塚 将之 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90334185)
高屋敷 吏 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30456024)
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キーワード | 代謝栄養外科学 |
研究概要 |
膵頭十二指腸切除術を対象とした臨床試験は終了した。術前に免疫強化栄養剤を経口摂取し、術後は通常経腸栄養剤を経腸投与した「術前免疫栄養群」は、術前普通食を摂取し、術後は通常経腸栄養剤を経腸投与した「コントロール群」に比べ感染性合併症発生率が有意に低く、Clavien-Dindo分類による合併症の重症度も有意に低かった。また、「術前免疫栄養群」は術後エイコサペンタエン酸値が「コントロール群」に比べ有意に高く、血漿プロスタグランディンE2値は術後1日目で有意に低かった。「術前免疫栄養群」は1型ヘルパーT細胞の転写因子であるT-betの末梢血単核球のmRNAでの発現が「コントロール群」に比べ術後3日目に有意に高く、Th1/Th2バランスの手術侵襲によるTh2へのシフトが抑えられていることを示していた。血漿IL-6は「術前免疫栄養群」で「コントロール群」に比べ術直後で有意に低く、炎症反応も抑えられていることを示していた。以上より、膵頭十二指腸切除術に対する術前免疫栄養療法は感染性合併症の発生率を抑える効果が期待できた。また、免疫栄養療法の効果発現にはエイコサペンタエン酸によるプロスタグランディンE2を介したヘルパーT細胞分化の制御が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。これらの内容は第27回日本静脈経腸栄養学会、第112回日本外科学会定期学術集会パネルディスカッションにおいて発表し、論文投稿中である。 閉塞性黄疸を合併した肝葉切除術を対象とした臨床試験は順調に症例を蓄積中で、予定症例数40例の内、39例が登録し検体を採取している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二つの臨床試験のうち、膵頭十二指腸切除術を対象とした臨床試験は終了し、現在論文投稿中。 閉塞性黄疸を合併した肝葉切除術を対象とした臨床試験も順調に症例を蓄積中で、予定症例数40例の内、39例が登録し検体を採取している。予定症例数が集まり次第、検体の測定とデーター解析を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度も平成24年度と同様に閉塞性黄疸合併肝切除術に対するランダム化比較試験を進め、検体の測定とデーター解析を進めると共に、国際学会および国内学会等にて研究成果の発表を行う
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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