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2011 年度 実施状況報告書

オスナ法によるセンチネルリンパ節微小転移の臨床的意義と術前化学療法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23591893
研究機関大阪大学

研究代表者

玉木 康博  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10273690)

研究分担者 島津 研三  大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30448039)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード乳癌 / 術前化学療法 / 腋窩リンパ節転移 / OSNA / サイトケラチン / センチネルリンパ節生検
研究概要

目的:乳癌術前化学療法症例における腋窩リンパ節転移検索に対するOSNA法の有用性を検討する。方法:平成23年9月より平成24年2月末までの術前化学療法施行原発性乳癌31症例に対して、摘出リンパ節(LN)(1症例最大4個)を4分割し、切片を交互に病理検査とOSNAによる検索をおこなった。病理検索は通常のヘマトキシリン・エオジン染色法(HE)とサイトケラチン19に対する抗体を用いた免疫染色法(CK19-IHC)により行った。結果:OSNA法とHE法との比較は31症例112リンパ節、OSNA法とIHC法との比較は61リンパ節まで進んでいる。OSNA法とHE法との比較ではOSNA-/HE-:71、OSNA-/HE+:3、OSNA+/HE-:14、OSNA+/HE+:24であった。病理法を基準とすると、OSNA法の転移検出感度は88.9%、特異度は83.5%であった。しかし、OSNA+/HE-の14個のうち4個にIHCで転移が見つかっており、これを考慮すると感度は90.3%、特異度は87.7%、一致率は88.4%であった。OSNA法とIHC法の比較では、OSNA-/IHC:37-、OSNA-/IHC+:1、OSNA+/IHC-:8、OSNA+/IHC+:15LNでIHCを基準とすると感度は93.8%、特異度は82.2%、一致率は85.2%であった。考察:早期乳癌手術例における報告ではOSNA法の感度は82.7-100%、特異度は94.3-98.4%であるので、転移検出感度はほぼ同等であるものの特異度がやや低い傾向にあることが示唆された。さらに症例数を増やして検討する必要があるが、negative predictive valueはHE法との比較で95.9%と非常に高く、センチネルリンパ節がOSNAで陰性であれば術前化学療法症例においても腋窩非郭清として良いことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該施設における臨床研究倫理審査委員会の承認を待って、平成23年9月より研究を開始した。術前化学療法施行の乳癌は月平均5症例のペースでリンパ節のサンプリングと解析を行っている。OSNAによる解析は手術当日に臨床検査部において当研究として施行している。HE染色による病理検索は病理部において通常臨床として行われており、術後約2週で結果が得られている。病理の残りサンプルを用いたCK19に対する免疫染色は当研究室において約2ケ月ごとに施行している。N0症例は月約10症例のペースで手術が行われており、OSNA解析はルーチンの臨床として施行されている。

今後の研究の推進方策

これまで同様に目標症例に達するまで術前化学療法症例におけるOSNA法によるリンパ節転移検索を施行する。N0症例については日常臨床としてOSNA法による転移診断のデータを集積していく。目標症例数のデータが得られたら、OSNA法とHE法との比較を行い、術前化学療法症例におけるOSNA法の精度を検証する。N0症例においては、OSNA法による解析結果と非センチネルリンパ節転移の関係について解析し、センチネルリンパ節転移陽性症例における腋窩追加郭清の判断基準の指標を作製する。

次年度の研究費の使用計画

OSNA検査用試薬及び消耗品を購入する。

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公開日: 2013-07-10  

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