研究課題/領域番号 |
23591897
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
白羽根 健吾 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (10529803)
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研究分担者 |
田中 雅夫 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30163570)
大塚 隆生 九州大学, 大学病院, 助教 (20372766)
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キーワード | 乳癌 / 間葉系幹細胞 / 癌間質相互作用 |
研究概要 |
乳癌の再発・転移に対する治療は今だ困難であり、死亡率を低減させるには至っていない。最近、間葉系幹細胞が癌細胞を支持するニッチと成り得ることが報告された。本研究では乳癌の治療抵抗性や遠隔転移に関わる間葉系幹細胞 (Mesenchymal Stem cells; MSC)を特定しその役割を解明した上で乳癌の新たな治療戦略を創造することを目的とする。MSCの特徴は分化能と自己複製能である。癌細胞のニッチ形成に寄与しているのであれば、癌組織に遊走してきたMSCが自己複製を繰り返し残存している可能性がある。本年度は昨年度に引き続き切除症例からのMSCの樹立手技の確立を目指した。ここでは、当研究室で多数所有する膵癌切除組織を用いた。膵癌は乳癌と同じDesmoplasiaを特徴とし豊富な間質を有しており、MSCの樹立には非常に適した疾患と思われる。当研究室でヒト膵癌組織から樹立した間質細胞を50株以上を用い、MSCのマーカーとされているCD10、CD29、CD44、CD73、CD90、CD105、CD106、CD117、CD146、CD166、CD271、Stro-1、VEGFR-1などの多数の表面マーカーの発現解析を行った。また機能解析も進め、昨年度はCD10陽性の間質細胞が癌細胞を活性化させることを確認していたが、本年度はCD271およびCD146陽性の間質細胞が癌細胞に対しCD10と全く逆の抵抗性の因子である可能性を見出した。また間質細胞においてαSMAおよびCD90がともに陰性の症例の膵癌の予後が良好であることを発見した。間質細胞における各因子の発現の意義が見いだせてきたことにより、間質細胞のPhenotypingをさらに進めえたと考えている。さらに解析をすすめ、表面マーカーを組み合わせた上でのMS、ないし癌細胞に影響をより強く及ぼす特定の間質細胞の純化を目指していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
切除組織由来間質細胞のPhenotypingおよび癌間質相互作用における癌細胞と間質細胞相互の変化に関して解析を進めているが、当年度の目標としていた癌細胞と純化した間葉系幹細胞の共培養/共移植からの再純化と相互作用関連分子同定には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
さらに間質細胞のPhenotypingを進め、表面マーカーを組み合わせた上でのMSCないし癌細胞に影響をより強く及ぼす特定の間質細胞の純化を目指す。その上で癌細胞との共培養教移植からの再純化を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は当初から続けている表面抗原解析と並行し、手術切除組織からの細胞分画の純化、そして乳癌細胞株との共培養を行うことで寄与する因子や条件などの同定を進める。
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