CRMP1からCRMP5までの5つのサイブタイプの内,CRMP2 mRNAのみが正常乳腺と乳癌でその発現に差を認め,乳癌において有意に発現低下を認めた.ティッシュマイクロアレイ173例のIHCでは,乳癌においてCRMP2の発現低下とリン酸化型CRMP2発現の上昇を認めた.また乳癌の臨床病理学的因子との相関の検討では,悪性度が高いとされる組織学的グレードの高い乳癌およびトリプルネガティブの乳癌において核内のリン酸化型CRMP2の発現が特に上昇する傾向を認め(た(p<0.001). CRMP2の低下とリン酸化型CRMP2の上昇は乳癌のprogressionに関与している可能性が考えられた.
|