今後の研究の推進方策 |
手術可能直腸癌に対し化学放射線療法を施行し、この手術摘出標本を用いてCD133, CD44, EpCAMの免疫組織化学にてがん幹細胞の存在およびその化学放射線療法抵抗性を検討する。大腸癌培養細胞HT29に CEACAM1-4LまたはCEACAM1-4Sを強発現するstable line、またCEACAM1-4Lを強発現する大腸癌培養細胞LS174TにCEACAM1-4Sを強発現するstable lineとCEACAM1 shRNA plasmidによりCEACAM1を発現抑制したstable lineについて、CD133、CD44、EpCAMの発現細胞数を定量的に評価し、がん幹細胞のCEACAM1 isoform balance変化によるがん幹細胞の分化誘導について検討する。さらに、flow cytometryにてCD133、CD44、またはEpCAMの陽性陰性細胞をsortし、CEACAM1-4LまたはCEACAM1-4S強発現株およびCEACAM1 knock downのcell lineについて3次元培養にて腺管形成について検討し、CEACAM1の発現およびisoform balanceによるがん幹細胞の腺管形成能との関連について検討する。さらにNOD/SCIDマウスの直腸orthotopic modelにおいて、腫瘍増殖および組織形成、浸潤についてin vivoで検討する。先述のCEACAM1遺伝子を導入、遺伝子抑制したstable cell linesを用いて、をflow cytometryでCD133、CD44、またはEpCAMの陽性細胞を分離し、大腸線維芽培養細胞CCO-18Co(American Type Culture Collection)を同時に直腸粘膜に移入し、3週間後に腫瘍を摘出し、組織形態と筋線維芽細胞の誘導について病理組織学的に評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
基礎的臨床的ににがん幹細胞のCEACAM1 isoform balance変化によるがん幹細胞の分化誘導について検討するため、免疫染色に用いるCEACAM1 monoclonal antibody (29H2, Abcam) (64,000円)、CD133 monoclonal antibody (293C3, Miltenyi Biotec) (41,000円)、CD44 monoclonal antibody (156-3C11, Cell Signaling Technology) (46,000円)、EpCAM(VU1D9, Cell Signaling Technology) (46,000円)、さらにTGF beta signaling pathwayの検討のためTBRI(v-22, Santa Cruz) (51,000円), SPTBN1(ab84498, Abcam) (64,000円), Smad3 (51-1500, Invitrogen) (63,000円)および試薬消耗品、Western blotting試薬、mRNAレベルで評価するために行うRT-PCR試薬、またCEACAM1-4Lおよび-4Sを定量的に検討するためのreal-time RT-PCR試薬を計上する。基礎的研究においては、大腸癌培養細胞HT29の培養試薬(培養液、培養器具)、3次元培養に用いるマトリゲル10 mL -20°C(37,400円)、を経費としてそれぞれ計上した。NOD/SCIDマウスの直腸orthotopic modelにおいて、腫瘍増殖および組織形成、浸潤についてin vivoで検討するために、NOD/SCID mouse (CB17-Prkdc<scid>/J, NOD-SCID,日本チャールズ・リバー、8300円/匹)を計上する。
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