研究概要 |
基礎研究として、ヒト消化器癌細胞株移植ヌードマウスモデルを用いた動物実験を計画していた。東海大学動物実験委員会での審査を受け、動物実験実施の承認を得た。 そこで、ヒト食道癌細胞株(TE1, TE4, TE6, TE8, TE10, TE11, TE14)を入手し、それぞれの細胞増殖能を測定した。その後、ヒト食道癌細胞株(TE1, TE4, TE6, TE10, TE11)をBALAB/cA-nu/nuヌードマウス背側皮下に移植した。自然経過群として、癌細胞移植時から腫瘍形成、腫瘍増大、死亡にいたるまでの4時点での観察を継続中である。 臨床研究として、消化器癌患者から採取した血液を用いた研究を計画していた。東海大学医学部臨床研究審査委員会での審査を受け、当該臨床研究の実施の承認を得た。適切な臨床例からの血液採取と、血液保存のシステムを確立した。
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今後の研究の推進方策 |
【基礎研究】 1.ヌードマウスモデルにおける検討群の設定:腫瘍切除群:換算腫瘍重量(RW)100mgまで腫瘍形成後に、腫瘍を50%切除または100%切除する。切除前、切除1日後から15日後まで2日毎に採血の後に犠死させる。化学療法群:換算腫瘍重量(RW)100mgまで腫瘍形成後に、5-FUまたはCDDPを腹腔内投与する。薬剤投与前、投与1日後から15日後まで2日毎に採血の後に犠死させる。2.ヌードマウスの観察:ヌードマウスの生死、体重、換算腫瘍重量(RW)を経時的に観察する。3.血清中遊離DNA断片の測定:ヌードマウスから採血し、犠死させた後、換算腫瘍重量(RW)と実測腫瘍重量を測定する。採取した血液は、3,000rpm, 30分で遠心分離をした後、血清を分注し-80℃で冷凍保存する。血清中から抽出したDNAとSYBR® Premix Ex Taq™試薬とAlu115またはAlu247のprimerを用いてReal Time PCRを行う。標準資料を用いた検量線を用意し、Ct値から、Alu115とAlu247のDNA量を定量し、Alu247DNA / Alu115 DNA比を算出し、「長鎖/短鎖 DNA割合」とする。4.結果の検討:各群と「長鎖/短鎖 DNA割合」の変化を検討する。 【臨床研究】 1.消化器癌患者からの血液採取:食道癌・胃癌患者の治療前と手術後、また化学療法後経時的に末梢血液を採取する。血液は遠心分離をした後、血清を分注し冷凍保存する。2.血清中遊離DNA断片の測定:上記基礎研究と同様に行う。
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