研究課題
ミセルナノ粒子Poloxamerをヒト乳癌トリプルネガティブ細胞株MDA-MB-231と24時間培養し、培養後の細胞をMTT cell proliferation assayにて解析した。Poloxamerがヒト乳癌トリプルネガティブ細胞株MDA-MB-231の細胞増殖能に影響を及ぼさないことを確認した。対照実験としてヒト乳腺上皮(非乳癌)細胞株MCF12Aおよびヒト乳癌ホルモンレセプター陽性細胞株MCF7に対しても24時間培養後に同様の解析を行い、Poloxamerが両細胞の細胞増殖能にも影響を及ぼさないことが確認された。PoloxamerをMDA-MB-231と24時間培養後LDH cytotoxicity assayにて解析した。癌細胞に対するPoloxamerの細胞毒性をin vitroで確認できた。対照実験としてMCF12AおよびMCF7に対しても24時間培養後にLDH cytotoxicity assay解析を行った。Poloxamerはin vitroで癌細胞に対しては細胞毒性を持つが、非癌細胞に対しては細胞毒性を持たないことが確認できた。問題点としては、培養条件等の変化により細胞毒性を起こす至適濃度が変化することが明らかとなった。PoloxamerとMDA-MB-231およびMCF12Aとの24時間培養後、Annexin assayにて解析。またPropidium iodideにて染色後の蛍光顕微鏡での観察では、Poloxamerが細胞壁を傷害することによりin vitroでの細胞毒性を惹起している可能性が示唆された。またヒト乳癌トリプルネガティブ細胞株の別株であるMDA-MB-436においても同様の結果が認められた。in vivo実験においては、トリプルネガティブ乳癌担癌マウスモデルでPoloxamerが腫瘍縮小効果を示す傾向にあるが、各投与経路におけるPoloxamerの至適濃度の解明には至らなかった。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
Current Cancer Therapy Reviews
巻: 10 ページ: 225-233
10.2174/157339471003150212111019