研究課題
1. EGFR遺伝子のゲファチニブ耐性変異配列(T790M)を含む2種のHLA-A2結合ペプチドの存在下に、HLA-A2陽性の健常者の末梢血単核球(PBMC)を培養したところ、6人中5人(83%)および6人中3人(50%)にペプチド特異的なT細胞の誘導が可能であった。これらのペプチドに特異的なT細胞は変異型EGFR T790M遺伝子陽性かつHLA-A2陽性の肺がん細胞株に対して強い細胞傷害活性を示した。また、HLA-A2陽性肺がん患者17人のPBMCを用いて、同定されたHLA-A2結合ペプチドのCTL誘導能を検討したところ、ゲファチニブ感受性の患者では6人中3人(50%)、ゲファチニブ耐性の患者では11人中2人(18%)にペプチド特異的なT細胞の誘導が可能であった。これらの検討より、EGFR遺伝子のゲファチニブ耐性変異(T790M)由来でHLA-A2拘束性の新規抗原エピトープが2種同定された(特許出願中)。2.KRAS変異配列(G12V, G12A)を含む2種のHLA-A2結合ペプチドの存在下に、HLA-A2陽性の健常者PBMCを培養したところ、9人中3人(33%)および9人中2人(22%)にペプチド特異的なT細胞の誘導が可能であった。これらのペプチドに特異的なT細胞は変異型KRAS遺伝子陽性かつHLA-A2陽性の大腸がん細胞株に特異的に反応した。現在、大腸がん患者血液を用いて、同定されたペプチドの免疫原性を検討中である。3.変異型KRAS、変異型EGFRの突然変異配列を含み、HLA-A24あるいは HLA-A11に結合するペプチドの免疫原性を、HLA-A24陽性(5名), HLA-A11陽性(6名)の健常者PBMCを用いて検討したが、特異的なT細胞を誘導できる抗原エピトープは同定できなかった。
2: おおむね順調に進展している
交付申請書に計画した研究内容をおおむね順調に実施し、期待した結果が得られつつある。
交付申請書に計画した研究内容をおおむね順調に実施している。今後も研究計画に従って、研究を継続する予定である。
交付申請書に計画した研究内容をおおむね順調に実施している。次年度も交付申請書に計画した通り、主として消耗品購入のために研究費を使用する予定である。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (5件) 産業財産権 (1件)
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