研究課題
1. HLA-A2陽性の非小細胞肺がん患者22人の末梢血単核球を用いて、昨年度までに同定したEGFR T790M配列を含む2種のHLA-A2拘束性抗原エピトープ(アミノ酸配列はMQLMPFGCLL, LIMQLMPFGCL)に対する免疫反応とT790M変異の有無(末梢血中の遊離DNAを用いてdigital PCR法にて検出)との相関を検討した。抗原エピトープに対して免疫反応を示さない患者15人中9人(60%)がT790M変異を有していたが、免疫反応を示す患者では7人中1人(14%)のみがT790M変異を有していた。この結果から、これらの抗原エピトープに対する免疫反応がT790M変異の誘導を抑制している可能性が示唆された。2.KRAS変異配列(G12C)を含むHLA-A2結合ペプチド(1種)の存在下にHLA-A2陽性健常者の末梢血単核球を培養したところ、9人中1人にペプチド特異的なT細胞の誘導が可能であった。この抗原エピトープ及び昨年度に免疫原性を確認した2種のKRAS変異配列(G12VあるいはG12A)を含むHLA-A2結合ペプチドに特異的なT細胞が、それぞれのKRAS変異配列(G12C、G12V、G12A)陽性でかつHLA-A2を発現した大腸がん細胞株へ反応するかどうかを検討した。G12V配列を含む抗原エピトープに特異的なT細胞はG12V陽性かつHLA-A2を発現した大腸がん細胞株と反応してサイトカインを分泌したが、G12C配列あるいはG12A配列を含む抗原エピトープに特異的なT細胞はそれぞれの変異が陽性でかつHLA-A2を発現した大腸がん細胞株に反応しなかった。以上の結果より、G12V配列を含む抗原エピトープはHLA-A2結合ペプチドとしてがん細胞表面に発現しているが、G12C配列あるいはG12A配列を含む抗原エピトープはがん細胞表面には発現していないものと示唆された。
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