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2013 年度 実績報告書

HGF/cMET axisとHBーEGFを標的とした胃癌標的治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23591921
研究機関金沢大学

研究代表者

安本 和生  金沢大学, がん進展制御研究所, 准教授 (90262592)

キーワードMET/HGF / 癌性腹膜炎 / スキルス胃癌 / パラクリン活性経路
研究概要

胃癌診療の中で、その予後を最も左右する癌性腹膜炎の成因は不明であり今なお効果的な治療法がない。我々は初めて、CXCR4/CXCL12 axisがさらにEGFR/EGFRリガンド(amphiregulinならびにHB-EGF)axisが、しかも互いに相互促進作用しながら、本病態形成に重要な役割を果すことを見出した。本研究では、高度な間質増生を伴うスキルス胃癌が高頻度に癌性腹膜炎を発症するという重要な臨床知見を踏まえ、癌の微小環境の新たな視点に基づく解析(癌間質誘導性Hepatocyte Growth Factor (HGF)を主な標的として上記2つの機序との相互促進作用の詳細な検討)から、真の胃癌標的治療法の確立を目指す。
これまでの研究で、スキルス胃癌細胞株のみがマウス腹腔内移植により悪性腹水を伴う癌性腹膜炎を形成することが判明し、腹水形成性スキルス胃癌細胞のみがHGFにより著明な増殖が誘導されることが判明した。同じスキルス胃癌でも増殖誘導の起こらない細胞株では腹水形成を含めてがん性腹膜炎発症はおこらないことも判明した。さらに、MET遺伝子増幅を有する胃癌細胞(4ー10%)がスキルス胃癌細胞同様がん性腹膜炎形成能をもつことがマウスモデルで確認された。ただし、悪性腹水の産生は伴わなかったことは興味深い。スキルス胃癌ならびにMET遺伝子増幅胃癌によるがん性腹膜炎形成後からの治療開始でも、MET阻害剤(METーTKI)は著明に病態を改善し、有意な生存期間延長をもたらした。
本年度は、マウス腹腔内移植により悪性腹水を伴う癌性腹膜炎を発症したスキルス胃癌のHGF誘導性増殖機序について検討をさらに加え、in vivoにおいては、EGFR抗体とMETーTKIによる併用阻害効果の検討を行い、単独投与に比して有意に生存期間の延長がもたらされることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Paracrine activation of MET promotes peritoneal carcinomatosis in scirrhous gastric cancer2013

    • 著者名/発表者名
      Lu Zhao, Kazuo Yasumoto, Atsuhiro Kawashima, Takayuki Nakagawa, Shinji Takeuchi, Tadaaki Yamada, Kunio Matsumoto, Kazuhiko Yonekura, Osamu Yoshie and Seiji Yano
    • 雑誌名

      Cancer Sci

      巻: 104 ページ: 1640-1646

    • DOI

      10.1111/cas.12301

    • 査読あり
  • [学会発表] METシグナル活性化はスキルス胃癌がん性腹膜炎病態形成に深く関与する2013

    • 著者名/発表者名
      安本 和生、Zhao Lu、矢野 聖二
    • 学会等名
      第22回日本がん転移学会学術総会
    • 発表場所
      長野 松本
    • 年月日
      20130711-20130712
  • [学会発表] 胃癌腹膜播種形成におけるサイトカインからみた分子機構解明と特異的標的療法の開発2013

    • 著者名/発表者名
      安本 和生 高橋 豊 矢野 聖二
    • 学会等名
      第108回日本外科学会学術総会
    • 発表場所
      福岡 博多 マリンメッセ
    • 年月日
      20130410-20130412
  • [図書] 日本臨床 増刊号 最新胃癌学 基礎と臨床の最新研究動向2014

    • 著者名/発表者名
      安本 和生
    • 総ページ数
      755
    • 出版者
      株式会社 日本臨牀社

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公開日: 2015-05-28  

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