研究課題/領域番号 |
23591935
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
東島 潤 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (30467815)
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研究分担者 |
安友 康二 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30333511)
西岡 将規 徳島大学, 大学病院, 助教 (50398020)
池本 哲也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20398019)
高須 千絵 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 特任助教 (70582823)
西 正暁 徳島大学, 大学病院, 医員 (70464344)
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キーワード | 直腸癌 / 術前放射線治療 / 調節性T細胞 / Foxp3 / CD47 / THBS-1 |
研究概要 |
【目的】放射線治療の効果向上を目指し、放射線治療によって起こる遠隔転移増加のメカニズムおよびその抑制法の開発のため、調節性T細胞を中心とした免疫機構に注目して研究を行う。また放射線治療の効果向上を目指して発癌や癌の進展に関与している癌幹細胞に注目して研究を行う。 【方法】①Balb/c ヌードマウスの直腸前壁に切開を加え、後壁に癌細胞(HT-29) 5×106個を移植。移植後7日目から局所放射線治療を開始する群と非照射群でTreg細胞の分化、生存に必要な因子(Foxp3) について比較検討した。②ヒト大腸癌細胞株HT-29を用いて培養24時間後に抗CD47抗体投与とradiationを以下の4群で施行した。 1. Control 2. anti-CD47 antibody (10, 50µg/ml) 3. Radiotherapy (2, 5Gy) 4. anti-CD47 antibody + Radiotherapy cell countを行い, mRNA発現をPCR法で測定した。 【結果】①腫瘍+放射線照射群(n=3、3.967±1.626)では、Control群(n=3、3.133±0.681)、腫瘍単独群(n=3、3.633±0.666)と比較して脾臓細胞中のFoxp3が高い傾向を認めた。②CD47とそのリガンドであるTHBS1についてCD47・THBS1ともにHT-29で高発現していた。抗CD47抗体投与で濃度依存的に細胞増殖が抑制された。また放射線照射は5Gyで有意に細胞増殖を抑制した。抗CD47抗体投与と放射線照射の併用において、併用群で細胞増殖が有意に抑制された。 【結論】腫瘍に放射線治療を加えることで血中Foxp3が上昇し免疫寛容を誘導する結果、遠隔転移形成の一因となる可能性が示唆された。また大腸癌細胞において、CD47抑制により放射線感受性が増強される可能性が示唆された。
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