研究課題/領域番号 |
23591936
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
川上 行奎 徳島大学, 大学病院, 特任講師 (00596249)
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研究分担者 |
丹黒 章 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10197593)
山本 洋太 徳島大学, 大学病院, 助教 (50522273)
古北 由仁 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20563810)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 食道癌 / 表在癌 / リンパ節転移 / センチネルリンパ節 / バイオイメージング |
研究概要 |
1.動物実験SCIDマウスを用いた食道癌同所移植Xenograft モデルの作成:食道癌細胞は山口大学で樹立されたヒト食道癌細胞株(YES-1,YES-2,YES-3)を用いて食道癌in vivoモデルを作製する。SCIDマウス(SCID17/Icr-scid Jcl 雄 CLEA Tokyo Japan 6-8週齢 重量20-25g)を用い麻酔下に開腹し、下部食道粘膜下に細胞懸濁液を注入する。移植する細胞株はYES-2をもとに継代培養を行い、マウス親和性株を樹立することにより、長期生存が可能な同所移植モデルを作成できた。現在、同所移植モデルを作成中である。2.臨床研究センチネルリンパ節同定に関する従来法との比較試験:学内IRBにて比較臨床試験を承認後、食道癌患者20例に十分なインフォームドコンセントを行い、内視鏡下にイオパミドール0.5mlずつ腫瘍周囲の粘膜下に圧をかけて注入しCTリンパ管造影検査を行った。縦隔内リンパ管とともにSLNの部位と個数を同定できた。手術時に色素を腫瘍周囲の粘膜下に注入し、CT上に描出されたセンチネルリンパ節(SLN)とともに色素法で同定したSLNを摘出した。色素法はICG(イソシアニングリーン)を注入し、オリンパス社製蛍光認識CCDカメラを用いてSLNの同定を行った。SLNをサンプリングし、さらに通常のリンパ節郭清を追加した後、ホルマリン固定し、採取したSLNは細切、他の郭清リンパ節は1切片で組織検査を行い、それぞれの同定法によるSLN同定率、正診度を比較した。ほぼ全例でSLNは正しく同定されており、SLNのみに微小癌が検出されたことからもその精度が確かめられた。両同定法とも検出できなかったのは癌で占拠された転移リンパ節のみであり、CTLGでこのリンパ節に転移があることは予測可能であった。この結果を国際雑誌に投稿、すでに掲載済みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床試験に関しては順調に進行している。すでに20例の食道表在癌症例に十分なインフォームドコンセントの上、内視鏡下に造影剤を注入し、CTリンパ管画像を撮影、解析した後、術中、インドシアニングリーンを注入し、近赤外光を照射し、蛍光を発するリンパ管を追尾し、センチネルリンパ節を同定、CTLGの結果と比較したところ、CTLGによる同定は正確であることが評価できた。動物実験において同所移植の手技を確立中であるが、リンパ節再発発生までに至るタイムコースを測定することが難しい。癌細胞移植方法を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
食道表在癌患者での臨床試験を継続し、症例数を増やすことにより、CTLGで同定できたセンチネルリンパ節をより低侵襲に追尾、採取する方法、高性能MDCTによるCTLG画像の構築によるリンパ流の解析から食道におけるリンパネットワークの解明を行う。また、術前診断によりリンパ節転移予測ができるかどうかを検証する。
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次年度の研究費の使用計画 |
SCIDマウスを用いた食道癌同所移植Xenograft モデルの作成とリンパ節転移モデルを用いた研究ヒト食道癌細胞株(YES-2)を境内培養した細胞株を用いて食道癌in vivoモデルを作製する。SCIDマウスを用い麻酔下に開腹し、下部食道粘膜下に細胞懸濁液を注入する。移植する細胞株はYES-2をもとに継代培養を行い、マウス親和性株を樹立することにより、長期生存が可能な同所移植モデルを作成する。同所移植モデルを生育し、定期的(1週間、2週間、3週間の時点で)に犠牲死し、縦隔リンパ節転移発生、遠隔転移発生時期を計測してtime courseを作成する。各時期における標本を保存、RNAを抽出しmicroarray解析の準備を行う。同所移植モデルを生育し、微小転移発生時期に犠牲死し、食道と縦隔リンパ節、肺組織を一塊として摘出し、細径注射針にて色素を注入して顕微鏡下に観察、染色状況を撮影、記録する。癌が最初に到達したリンパ節(センチネルリンパ節)とその周囲のリンパ節を採取し、組織学的構造、サイトカインの測定、免役組織学的手法による転移細胞集塊を取り巻くリンパ組織とSLNを取り巻く周囲リンパ節の機能を検証する。食道表在癌患者におけるセンチネルリンパ節の同定と病理学的検討食道表在癌患者に書面によるインフォームドコンセントをとり、CTLGによる術前SLN診断を行う。最近入手したストルツ社製蛍光内視鏡とオリンパス社製内視鏡を用いて、術中SLNの同定率の比較を行う。免疫組織染色によるSLNと周囲リンパ節の機能について検証する。蓄積された臨床データを本年10月に開催される国際食道学科において発表する。
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