研究課題/領域番号 |
23591936
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
川上 行奎 徳島大学, 大学病院, 特任講師 (00596249)
|
研究分担者 |
丹黒 章 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10197593)
山本 洋太 徳島大学, 大学病院, 助教 (50522273)
古北 由仁 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20563810)
吉田 卓弘 徳島大学, 大学病院, 助教 (00380105)
|
キーワード | 食道癌 / 表在癌 / リンパ節転移 / センチネルリンパ節 / バイオイメージング |
研究概要 |
1.動物実験 SCIDマウスを用いた食道癌同所移植Xenograftモデルの作成:SCIDマウスを開腹し、下部食道粘膜下に細胞懸濁液を注入する。移植する細胞株はYES-2を用い、マウス親和性株を樹立し同所移植モデルを作成できた。同所移植モデルの作成は生着にばらつきが多く、センチネルリンパ節(SLN)転移モデルは作成できたが、モデルの時間軸設定は非常に難しいことが判明した。同所移植モデルが作成できれば、リンパ節転移のメカニズム研究が格段に進むだけでなく、患者個別の抗癌剤感受性試験も可能になるため研究を継続中である。 2.臨床研究 SLN同定に関する臨床試験:学内IRB承認後、食道胃接合部癌を含む食道癌患者40例にインフォームドコンセントを行い、CTリンパ管造影検査を行った。全例に縦隔内リンパ管とともにSLNの部位と個数を同定できた。CT上に描出されたSLNとともに色素法で同定したSLNを摘出した。色素法はICG(イソシアニングリーン)を注入し、オリンパス社製蛍光認識CCDカメラを用いてSLNの同定を行った。SLNをサンプリングし、リンパ節郭清を追加し、ホルマリン固定し、採取したSLNは細切、郭清リンパ節は1切片で組織検査を行い、SLN同定率、正診度を比較した。ほぼ全例でSLNは正しく同定されており、SLNのみに微小癌が検出された。検出できなかったのは癌で占拠された転移リンパ節のみで、CTLGによる転移予測は可能であった。この結果を国際雑誌に投稿し、すでに掲載済みである。日本外科学会や多くの国際学会でも発表し、日本医事新報社から「センチネルリンパ節生検 手技・エビデンス・ピットフォール」を出版した。SLNとその周囲リンパ節の機能に関する、免疫組織化学、遺伝学的検討はSLNのみの転移症例、微小転移のみを有する症例を抽出して行う予定である。
|