研究課題/領域番号 |
23591938
|
研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター) |
研究代表者 |
江頭 明典 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, その他 (00419524)
|
研究分担者 |
掛地 吉弘 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80284488)
森田 勝 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30294937)
大賀 丈史 独立行政法人国立病院機構福岡東医療センター(臨床研究部), その他部局等, その他 (60335958)
園田 英人 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00465725)
|
キーワード | DNA修復 / 食道癌 |
研究概要 |
食道癌は非常に予後が悪い疾患であるものの、集学的治療によりその成績は向上してきている。食道癌におけるDNA修復異常の分子機構を明らかするとともに、これらの経路を標的とした分子標的治療を検討することを目的に研究を行った。酸化的DNA損傷塩基(8-OHdG)とその修復酵素(OGG1)の発現を検討したところ、8-OHdGは重喫煙者の正常食道に多く、また正常組織よりも癌組織に多く発現し、OGG1は逆に癌組織で発現が低下していた。これは食道発癌における酸化的DNA修復機構の関与を示唆するとともに、食道発癌の危険因子として広く認識されている喫煙がDNA酸化損傷を介して食道発癌に関与する可能性を示唆している。 DNA二本鎖切断修復機構、特に相同組換えにおいてにおいて中心的な役割を果たすRAD51タンパク質についての解析では、RAD51タンパク質高発現がリンパ節転移および予後不良に相関していること、また術前治療後に手術を施行した患者においては、RAD51低発現と治療効果に相関を認めた。この結果は、DNA二本鎖切断に対する修復機構の異常が食道癌の悪性度と関連するのみならず、治療効果を規定する可能性を示唆している。
|