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2011 年度 実施状況報告書

胃癌幹細胞による腹膜転移形成と宿主免疫回避機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23591939
研究機関九州大学

研究代表者

辻谷 俊一  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30188544)

研究分担者 鴻江 俊治  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30215199)
掛地 吉弘  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80284488)
森田 勝  独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), 統括診療部, 医長 (30294937)
大賀 丈史  九州大学, 大学病院, 助教 (60335958)
江頭 明典  九州大学, 大学病院, 特任助教 (00419524)
園田 英人  九州大学, 大学病院, 特任助教 (00465725)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードがん幹細胞 / 免疫抑制
研究概要

1. ヒト培養胃癌細胞におけるがん幹細胞の免疫抑制能を調べるため、CD44+細胞ががん幹細胞として報告されているヒト培養胃癌細胞MKN-45、MKN-74を用いて、FACSにてCD44+細胞とCD44-細胞の分画に分け、TGF-β、IL-10、VEGF、MICAなどの免疫抑制因子の発現をFACSにて解析し、CD44+がん幹細胞の免疫抑制能をCD44-細胞と比較した。2. ヒト培養胃癌細胞とDCの細胞融合を行うため、健常成人末梢血からリンパ球濾過後比重遠心法で単球を分離し、GM-CSF (キリンビール)とIL-4 (小野薬品工業)にて5日間培養して未熟型DCを誘導し、TNFαにて成熟させ、FACSにて表面抗原解析し、成熟段階を判定した。その後、50%Polyethylene glycol (PEG)を含むRPMI1640溶液中でヒト培養胃癌細胞MKN-45、MKN-74のCD44+細胞、CD44-細胞のそれぞれとDCを1:1で1分間混合したうえで、細胞融合遺伝子導入装置BTX社ECM2001を用いて腫瘍細胞とDCを細胞融合させることにより、細胞融合効率が向上した。胃癌細胞とDCに蛍光標識し、FACS解析によりCD44+胃癌幹細胞とCD44-細胞でDCとの細胞融合効率に差異を調べた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1. ヒト培養胃癌細胞におけるがん幹細胞の免疫抑制能について、ヒト培養胃癌細胞MKN-45、MKN-74をFACSにてCD44+細胞とCD44-細胞の分画に分け、TGF-β、IL-10、VEGF、MICAの免疫抑制因子の発現を調べたが、検出感度が安定せず、まだ十分なデータが得られていない。2. ヒト培養胃癌細胞とDCの細胞融合を行い、FACSにて表面抗原解析し、成熟段階を判定した。FACS解析によりCD44+胃癌幹細胞とCD44-細胞でDCとの細胞融合効率に差異を調べたが、細胞融合率に安定性が欠き、十分なデータが得られていない。

今後の研究の推進方策

1. ヒト培養胃癌細胞におけるがん幹細胞の免疫抑制能およびDCとの融合細胞の免疫刺激能の安定したデータが得られるよう、実験システムの確立を行う。2. MKN-45、MKN-74のCD44+細胞、CD44-細胞と腫瘍細胞融合DCの細胞表面抗原を解析し、DCの活性化指標、腫瘍マーカー、免疫抑制性膜分子などの発現がCD44+胃癌幹細胞とCD44-細胞の間で差があるかを確認する。3. CD44+細胞およびCD44-細胞をそれぞれ健常成人末梢血単核球と直接またはTranswellを介して混合培養し、CD4+ T細胞、CD8+T細胞のNKG2D発現、抗腫瘍性サイトカインの産生をFACSおよびELISAで解析し、CD44+がん幹細胞がT細胞機能をCD44-細胞よりも強く抑制するか評価する。さらに、CD44+細胞およびCD44-細胞と健常成人末梢血単核球と直接またはTranswellを介した混合培養に、TGF-β、IL-10、VEGF、MICA それぞれの抗体を投与して、がん細胞によるCD4+ T細胞、CD8+T細胞のNKG2D発現や抗腫瘍サイトカインの産生抑制が回復するか、CD44+がん幹細胞による免疫抑制もCD44-細胞と同様に回復するかFACSおよびELISAによる解析で評価する。

次年度の研究費の使用計画

1. ヒト培養胃癌細胞におけるがん幹細胞の免疫抑制能およびDCとの融合細胞の免疫刺激能のデータ蓄積を行う。2. 腫瘍細胞融合DCの細胞表面抗原を解析し、DCの活性化指標、腫瘍マーカー、免疫抑制性膜分子などの発現についえてデータを蓄積する。3. がん幹細胞と健常成人末梢血単核球との混合培養で、CD4+ T細胞、CD8+T細胞のNKG2D発現、抗腫瘍性サイトカインの産生をFACSおよびELISAで解析する。4. がん幹細胞と健常成人末梢血単核球とを混合培養に、TGF-β、IL-10、VEGF、MICA それぞれの抗体を投与して、CD4+ T細胞、CD8+T細胞のNKG2D発現や抗腫瘍サイトカインの産生抑制をACSおよびELISAで解析する。

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公開日: 2013-07-10  

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