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2013 年度 実績報告書

食道癌におけるmicroRNAを介した偽遺伝子による遺伝子制御機構の解明の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23591940
研究機関熊本大学

研究代表者

長井 洋平  熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (30551254)

研究分担者 渡邊 雅之  公益財団法人がん研究会, がん研有明病院, 食道担当部長 (80254639)
林 尚子  熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (20452899)
馬場 祥史  熊本大学, 大学院生命科学研究部, 講師 (20599708)
キーワードmicroRNA / pseudogene / FBXW7 / ceRNAs
研究概要

我々は、食道癌において、食道扁平上皮癌患者においてmicroRNA(以下miRNA, miR)-21が、癌抑制遺伝子であるPDCD4を制御していることを証明した(Hiyoshi et. al. Clin.Cancer Res. 2009)。
L. Polisenoらは、2010年にPTENの偽遺伝子(pseudogene)であるPTENP1が、microRNAを介して互いに制御し合っており、miRNAが本来結合する標的遺伝子の3’UTRと同様の遺伝子配列を偽遺伝子が持っていた場合、偽遺伝子はおとりとなり、対応する遺伝子と同様の生物学的役割を担うことを報告した(L. Poliseno et.al.Nature 2010)。我々は、この報告と上記の我々の研究の結果を元に、それぞれの遺伝子におけるmiRNAを介した遺伝子発現制御機構について現在検討中である。
我々は、まず、癌抑制遺伝子PTENとその偽遺伝子であるPTENP1の発現解析を、食道癌を含む消化器癌細胞株54種類で、real time PCRにて検討した。その結果、PTENとPTENP1の発現は相関関係にあることが分かった。また、PTENをtargetとするmiRNAの中でmiR-19、21、26a、26bの発現を調べるとそれぞれのmiRはPTENの発現と逆相関関係にあることが分かった。我々はこれらの結果を元に食道扁平上皮癌臨床サンプルを用い、その発現を検討中である。
また、癌抑制遺伝子FBXW7をmiR-223が制御していることを食道扁平上皮癌で証明したが、この結果を元に、癌抑制遺伝子の発現を抑制しているonco-miRを捕捉するsponge(おとり)として、遺伝子の3’UTRを癌細胞に導入する治療法を考えた。しかし、FBXW7 3’ UTRを細胞株に導入し、結合していたmiRNAの発現変化、FBXW7自体の発現の変化、ならびに癌の増殖進展抑制の効果を検討したが、いずれも大きな変化はなく、治療効果として期待されたものではなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Clinical impact of serum exosomal microRNA-21 in human esophageal squamous cell carcinoma, as a clinical biomarker2013

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Y,Kamohara H,Kinoshita K,Kurashige J,Ishimoto T,Iwatsuki M,Watanabe M,Baba H
    • 雑誌名

      Cancer

      巻: 119(6) ページ: 1159-67

    • DOI

      10.1002/cncr.27895.

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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