研究課題/領域番号 |
23591948
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
谷島 聡 東邦大学, 医学部, 助教 (00408931)
|
研究分担者 |
島田 英昭 東邦大学, 医学部, 教授 (20292691)
根本 哲生 東邦大学, 医学部, 准教授 (70242203)
名波 竜規 東邦大学, 医学部, 助教 (90385831)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | SEREX / Galectin-1 / p53 / ELISA / 胃癌 / 血清抗体 / 腫瘍マーカー |
研究概要 |
1,Galectin-1,3,8 cDNA の塩基配列をアミノ酸配列に変換し、MHCPred ウェブサイト (http://www.jenner.ac.uk/MHCPred/) を用いてクラスII 抗原部位を検索し、その領域を含むペプチドを人工合成した。2,次に、アミノ末端にビオチンを付加しておき、予めアビジンを固相化したプレートを用いて合成ペプチ ドを特異的に結合させ、洗浄後に血清抗体と反応させ、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG 抗体を用いて血清抗体レベルを測定した。3,バキュロウイルスを用いてGalectinペプチドを精製して血清Galectin抗体検索のためのELISAキットを作成した。作成したELISAキットの性能試験を実施し、健常者の基準抗体価を設定する。健常者血清における ELISA測定レベルの平均値+3SD をカットオフ値として、その値を上回ったものを陽性と判定した。その結果、胃癌患者における血清抗体陽性率は、5~10% 程度であった。4,陽性率は単独で新規腫瘍マーカーとして利用できるレベルに達しないが、p53抗体陽性との重複が少ないことから、複数の血清抗体を併用することで陽性率の上乗せを期待できると思われた5,平成23年度は研究計画とおりに、東邦大学医療センター大森病院で入院・加療した胃癌患者の血清を文書により本人の了解を得てスクリーニングに用いた。解析対象の食道癌、胃癌、大腸癌、肝臓癌、膵臓癌、乳癌の患者血清を治療前後に採取し、血清分離後にマイナス80度で凍結保存したものを使用した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画3年間の1年目であり、当初計画に基づく研究計画を順調に実施している。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画3年間の初年度であり、当初計画に基づく研究計画を順調に実施できた。しかしながら、血清中のGalectin-1抗体は、当初期待したレベルの陽性率に達しなかったため、単独で新たな腫瘍マーカーとして利用できる可能性は少ないと判断された。他の血清抗体マーカーとの重複陽性症例はほとんどないため、複数の抗体マーカーを併用することで、従来の抗体マーカーを凌駕する検査方法として開発できる可能性がある。研究最終年度である平成25年度には、最適の血清抗体併用方法を探索する予定である。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度の研究進捗状況は、ほぼ計画通りであり順調に進行している。ただし、平成23年度は一回のサンプル数を多くし解析回数を少なくしたため、結果として解析費用に伴う消耗品代金の節減となり支出が少ない傾向であった。平成24年度は、ほぼ計画通りの執行となるものと計画している。
|