研究課題/領域番号 |
23591948
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
谷島 聡 東邦大学, 医学部, 助教 (00408931)
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研究分担者 |
島田 英昭 東邦大学, 医学部, 教授 (20292691)
根本 哲生 東邦大学, 医学部, 准教授 (70242203)
名波 竜規 東邦大学, 医学部, 助教 (90385831)
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キーワード | SEREX / Galectin-1 / p53 / ELISA / 胃癌 / 血清抗体 / 腫瘍マーカー |
研究概要 |
胃癌における血清自己抗体を用いた新しい検査方法を確立することが目的である。平成23年には、標的分子を固相化したELISAキットを完成し、平成24年度は主としてその診断能力の評価を行った。平成25年度には、血清抗体陽性と陰性の症例での臨床病理学的因子との相関関係を検討した。 ①平成25年度も研究計画とおりに、東邦大学医療センター大森病院で入院・加療した胃癌患者の血清を文書により本人の了解を得てスクリーニング用いた。解析対象の胃癌症例を新規で合計で約100症例の血清を治療前後に採取し、血清分離後にマイナス80度で凍結保存したものを使用した。 ②Galectin-1ならびにp53の両者それぞれを固相化したELISAキットにより測定された血清抗体価と胃癌症例における、深達度、リンパ節転移、遠隔臓器転移との相関関係を検討した。p53抗体陽性率はステージに相関するが、galectin-1抗体陽性率は有意な相関を認めなかった。 ③切除手術前後の治療経過中の血清抗体価の変化を解析した。p53抗体は手術後にゆるやかな低下傾向を認めたが、galectin-1抗体については明らかな低下傾向を認めなかった。 ④再発率あるいは生存解析は、観察期間が短いため解析できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画3年間の3年目であり、当初計画に基づく研究計画を実施できた。しかしながら、血清中のGalectin-1抗体は期待したレベルの陽性率に達しなかったため単独で新たな腫瘍マーカーとして利用できる可能性は少ないと判断された。血清p53抗体との重複陽性症例はほとんどないため、両者を併用することで、従来の抗体マーカーを凌駕する検査方法として開発できる可能性がある。本来は、平成25年度が最終年度であったが、「生存解析」ならびに「免疫染色解析」を行う必要があるため、1年間の研究延長とした。
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今後の研究の推進方策 |
血清抗体価と深達度、リンパ節転移、遠隔臓器転移との相関関係を検討する。また、化学療法施行症例においては、治療 感受性との相関関係を検討する。再発症例においては、再発時期、予後との相関関係を検討する。手術標本を用いて免疫染色を行い、血清抗体と免疫染色との相関関係を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本来は、平成25年度が最終年度であったが、「生存解析」ならびに「免疫染色解析」を行う必要があるため、1年間の研究延長としたが、必要な消耗品購入や免疫染色を進めた結果、残金は少額となった。 血清抗体と免疫染色データは収集できているので、相関関係を検討する。次年度使用額は試薬などの消耗品を購入する。
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