研究課題/領域番号 |
23591950
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
猶本 良夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00237190)
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研究分担者 |
深澤 拓也 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20379845)
繁光 薫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50585007)
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キーワード | 食道外科学 |
研究概要 |
Midkineは塩基性の低分子量タンパク質で、ヘパリン結合型サイトカインの一種である。正常組織におけるMidkineの発現は低値である一方、食道癌をはじめとする多くの癌種においてその発現の増強が認められ、また癌の進展に関与することが知られている。これまでに我々は、米国 Cincinnati Children’s Medical Center との共同研究によりMidkine プロモータを用いたCell base assayによるscreening法による16種のMidkine阻害剤の選定を終了している(MKI#1-#16)。 阻害剤MKI#3はMidkine発現のある食道癌細胞株TTn、TE-8および肺腺癌細胞株H441に対し、細胞増殖抑制を誘導した。一方で、Midkine発現のない、肺癌細胞株A549およびヒト正常線維芽細胞株HFF-1では増殖抑制効果は認められなかった。また上記Midkine発現癌細胞におけるImmunoblot解析より、MKI#3等予後、caspase3、PARPがcleaveすることから、当該阻害剤は一部の細胞にcaspaseを介したapoptosisを誘導するとが示された。また薬剤投与後の下流シグナル解析結果から、この細胞死にPI3-kinase-Akt経路が関与することを現段階で解明している。さらにin vivoにおける検討おいて、MKI#3のマウス体重に対し9mg/gの腹腔内投与後の、経時的な解析により、体重減少、肝機能障害などの有害作用は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成24年度まで研究計画である、Midkine阻害剤の作用機序の検討に関し、特に研項目の1つである抗腫瘍効果の強いMKI#3に関する下流シグナルの解明を概ね終了している。またin vitro 、in vivoにおける正常細胞、組織に対する障害性の検討を終了した。現在その他のMidkine阻害剤の抗腫瘍効果をMKI#3と比較するとともに、シグナル解析を進めていているが、解析終了までに暫くの期間を要する見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
Midkine発現型悪性腫瘍に対する抗腫瘍性の強い薬剤に標的を絞り、下流シグナル解析を終了する。選択薬剤1-2種でのin vivoでの制癌効果の解析を行う。また他種抗癌剤・分子標的薬剤と併用効果の検討を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
特定Midkine阻害剤の作用機序解析および他種薬剤と併用効果の検討に必要な分子生物試薬費また、in vivoでの抗腫瘍効果の評価に必要な細胞・分子生物試薬費、実験動物購入費を使用する。 研究計画の遅れから次年度使用予定助成金が生じている。
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