研究課題
本研究の目的は発光、蛍光等の光イメージング法を駆使して、胃がんの臨床上最重要課題である腹膜転移、リンパ節転移の早期診断,治療効果モニタリングのための体外および体内(腹腔鏡)イメージング法に関する基盤技術を確立することである。本年度は体内イメージングについて以下の2点を明らかにした。1)ICGに対して高感度なCCDカメラを接続し、その画像をリアルタイムにモニター上で観察できる蛍光腹腔鏡を試作し、各種光源(ハロゲン,レーザー光, 波長800 nm)を用いた蛍光イメージングシステムを作製した。また近赤外蛍光色素(ICGあるいはICG封入リポゾーム)標識したcetuximab, trastuzumab抗体を予め転移を形成しておいたマウス腹腔内に注射し、1日後にマウスを屠殺•開腹し、腹膜転移巣、リンパ節転移巣を暗視野で観察し、Ivis Lumina IIを用いた発光(ICG蛍光)イメージと腹腔鏡型ICG蛍光イメージを比較することで本蛍光復腔鏡イメージングシステムの感度,特異性などの性能を検証した。2)EGFR (HER2)発現の異なる胃がん細胞株4株(GLM-1, MKN-28, MKN-45およびGCIY)にLuciferase(GFP)遺伝子をコードする発現ベクターを導入し、遺伝子発現の強い安定細胞株を作成する。腹膜転移は上記細胞を復腔内接種することにより作成した。胃癌のリンパ節転移モデルはリンパ節転移能を有するGCIY―GFP細胞の皮下移植腫瘍を摘出し,1 mm角に細切した後、ヌードマウスの胃奨膜に包埋同所移植を行うことにより作成した。本モデルを用いて移植2ヶ月後に開腹し、GFP蛍光イメージングを行うと、胃から食道に至る胃所属リンパ節転移巣に蛍光を認め、リンパ節転移モデル作成に成功した。
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