研究課題/領域番号 |
23591953
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柴田 近 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30270804)
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研究分担者 |
鹿郷 昌之 東北大学, 大学病院, 助教 (30455779)
田中 直樹 東北大学, 大学病院, 助教 (60547404)
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キーワード | 結腸運動 / TRPA1 |
研究概要 |
寒冷受容体であるTRPA1 (transient receptor potential cation channel subfamily A member 1)の刺激剤を結腸内腔に投与し、その結腸運動亢進作用と作用機序を検討するのが本研究の目的である。対象動物はイヌで、結腸運動測定用のstrain gauge force transducerを結腸3か所(近位・中部・遠位結腸)に縫着し、結腸内腔投与用のシリコンチューブを留置するのは全ての研究で共通である。平成23年度 には、TRPA1刺激剤のallyl isothiocyanate(以下:AITC)5mg、10mgをシリコンチューブから結腸内腔に投与すると、結腸運動が亢進して巨大収縮が起こり、排便を誘発することを明らかにできた。平成24年度は、以下の拮抗剤のAITC 誘発性結腸収縮・排便誘発効果に対する影響を検討した。用いた拮抗剤はムスカリン受容体拮抗剤のatropine、ニコチン受容体拮抗剤のhexamethonium、セロトニン3受容体拮抗剤のondansetron、TRPA1拮抗剤のHC030031、温熱受容体のTRPV1拮抗剤であるcapsazepinであり、前3つはAITC投与5分前に静脈内投与し、後2つはAITC投与10分前に結腸内腔内投与した。Atropine、hexamethonium、ondansetron、HC030031はAITCによる結腸運動亢進・排便誘発効果を抑制したが、capsazepineは影響しなかった。このように、AITC 誘発性結腸収縮・排便誘発効果はコリン(ムスカリン、ニコチン)受容体、セロトニン3受容体、TRPA1受容体を介するがTPPV1受容体は無関係であることを明らかにできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ、交付申請書に記載した実験計画予定通りに研究は進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、結腸切離再吻合を近位結腸と中部結腸の間で行なうモデル、結腸に分布する外来性神経の除神経を行なうモデルを作製し、これらにおけるAITCの結腸内腔投与が結腸運動を亢進させて排便を誘発するかどうか検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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