研究課題/領域番号 |
23591954
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
釣田 義一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教 (80345206)
|
研究分担者 |
篠崎 大 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (10312315)
畑 啓介 東京大学, 医科学研究所, 助教 (60526755)
|
キーワード | 直腸癌 / 術前放射線化学療法 / 癌ペプチド / 臨床試験 / 免疫療法 |
研究概要 |
本研究の目的は、HLA-A*2402を有する進行直腸癌症例に対して、術前放射線化学療法に併用し、RNF43、 TOMM34由来HLA-A*2402拘束性ペプチドをそれぞれIFA(MONTANIDE *ISA51)1mlと混合し、患者の前頸部あるいは腋窩部の皮下に投与する腫瘍特異的ワクチン療法の第I相臨床研究であり、本療法の安全性を検討することである。副次評価項目として、この治療法の臨床効果に影響をおよぼすと考えられるペプチド特異的免疫反応と腫瘍縮小効果に関連する情報を解析する。 本研究課題の実施計画書、患者説明文書等の作成は既に終了したが、当施設の治験審査及び倫理審査を待っている状態であり、臨床試験はまだ開始されていない。しかし、臨床試験の開始に備え、試験担当医師のみならず、看護師や薬剤師、検査技師の配置、教育を 行い、施設内の準備は万端である。 一方、術前化学放射線療法がわが国では標準療法とみなされていないという意見もありさらなるエビデンスの蓄積が必要と考え、日本外科学会や日本大腸肛門病学会への参加、XXV Biennial Congress of the International Society of University Colon & Rectal Surgeons. Bologna.に参加、発表を行った。また当院や関連施設で今までに行われた術前放射線療法及び術前化学放射線療法を併用した進行直腸癌手術症例のデータ整理及びその解析を行った。その結果、術前化学放射線療法を併用した進行直腸癌手術は、標準療法とみなして十分なエビデンスを有していることを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
我が国の大腸癌治療ガイドラインでは、直腸癌に対する術前化学放射線療法については、欧米では直腸癌に対する術前化学放射線療法が標準的治療に位置づけられているが、本邦では有効性と安全性を示すエビデンスが乏しい。適正に計画された臨床試験として実施することが望ましい。」と記されている。そのため、本研究で計画している術前化学放射線療法にペプチドワクチン投与を併用する臨床試験を行なうためには、もう少し、術前化学放射線療法の有効性と安全性を示す必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
術前放射線化学療法の有効性と安全性を示す情報の収集及び解析、及び当施設における臨床実績の積み重ねにより、本臨床試験実施の妥当性を高めることにより、臨床試験を実施する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
臨床試験の実施に伴い、ペプチド投与の器具や関連薬品(アジュバント等)の購入、及び免疫反応解析用試薬や器具の購入に使用する。また、得られた成果を、国内外の学会で発表し、英語論文で公表する。
|